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「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】 2012年2月5日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
「日本YA作家クラブ」第7回の会報をお届けいたします。
この会報は、総会の役割を兼ねております。必ず必須事項をご記入の上、
ご返信して下さいますようお願いいたします。


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★お願い★
最後までお読みになりましたら、下の必要事項を記入して、
このメールに返信してください。
著作リストは、確定している情報をお願いいたします。
ご返信はなるべく十日以内でお願い致します。

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【1】会員名 

【2】著作リストの更新 なし / あり (ご記入ください)

【3】おすすめYAアンケートのリストの更新 (任意)

【4】新会員の推薦 紹介 (任意)。

【5】ご意見、ご要望、ご質問など、ございましたら。


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━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆報告・1、イベント 2、問い合わせ
◆著作リストの更新について
◆おすすめYAアンケートの更新について
◆インタビューのコーナー、第二弾企画中
◆会員の募集と告知、情報ブログについて
◆リレーエッセイ。第7回★令丈ヒロ子さん

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◆報告・1「日本YA作家クラブ」のイベントについて。(8月以降)

12月11日アクトシティ浜松で行われた
日本ペンクラブ主催のシンポジウム「世界と日本の子どもの本から」
 (司会:那須田淳氏)の後援として日本YA作家クラブが参加しました。


◆報告・2 クラブへの問い合わせ


埼玉県入間市立図書館より、日本YA作家クラブの会員に
講演会の出演の依頼があり、該当の会員に取り次ぎました。


さいたま市の市立小・中学校学校図書館司書とそのOGによる
自主研修サークル様より、日本YA作家クラブの会員に
講演会の出演の依頼があり、該当の会員に取り次ぎました。


東京都昭島市民図書館より、日本YA作家クラブの会員に
「中学・高校生読書フォーラム」講演会の出演の依頼があり、
該当の会員に取り次ぎました。


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◆著作リストの更新について

著作リストは年2回(2月/8月)更新いたします。
更新したい項目、付け加えたい情報、訂正などを
お知らせください。新刊の冊数の制限はいたしません。
これまでのリストの掲載情報に関しては、ホームページにて
ご確認ください。
出版社出版年もご記入ください。


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◆おすすめYAアンケートの更新について

「おすすめYA」のアンケートのページを、「YAの本棚」コーナーとして
ホームページで公開しております。差し替えや追加のご希望が
ございましたら、月末までにご連絡ください。
ホームページをご覧いただき、リストのフォーマットを整えて
お送りください。

アンケート集計後にご入会いただきました新会員の皆様には、
後日、アンケートをお送りいたしますので、ご協力をお願いいたします。

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◆インタビューのコーナー第二弾企画中。

YA世代や作家や翻訳家を目指す人に向けた
会員へのインタビューコーナー「YAバトン」をホームページに作り、
2010年4月から逆五十音順に掲載をスタートし、
2011年10月に一巡しました。
ご協力をありがとうございました。

ただいま、第二弾のインタビューを企画中です。
会員に訊いてみたい質問や、楽しいアイデアがございましたら
お寄せください。


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◆会員の募集と告知のお願いについて。

会員の皆さまにも、「日本YA作家クラブ」の告知のご協力を
お願いします。個人でホームページやブログをお持ちの会員さんは、
『日本YA作家クラブ』へのリンクをご協力お願いいたします。

情報ブログについて
「YA情報ブログ」には、YAに関する講演会やサイン会、講座などの情
報を掲載します。会員のYAに関する講演会やサイン会の情報を、
連絡係にお寄せ下さい。YAにかかわるものでしたら、「日本YA
作家クラブ」の関与にかかわらず掲載致しますので、どうぞお気軽に
直接ブログに書き込む場合。
googleのアカウントの登録(無料)をし、「書き込み登録」をすると、
情報がいつでも書き込めます。ご希望の方には、「YA情報ブログ」の
招待メールをお送りしますので、登録したいメールアドレスを明記して、
ご連絡ください。


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◆リレーエッセイ募集。( ^^) _旦~~ φ(..)

第7回会報(2012年2月)に掲載するエッセイを募集します。
テーマは「YAに関すること」。400字〜長文も可。
また、今号会報のリレーエッセイを受けた内容のエッセイも
募集いたします。
お寄せいただいた作品は臨時便や定期の会報に掲載いたします。
会報はホームページ上でも公開されます。
世話人から御執筆のお願いをすることがあります。
※原稿料はお支払いできません。無償でのご協力をお願いいたします。


※「日本YA作家クラブ」への企画、ご提案、アイデアなどが
ございましたら、ぜひご相談ください。

      
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┃リ┣┫レ┣┫ー┣┫エ┣┫ッ┣┫セ┣┫イ┃
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第7回★令丈ヒロ子さん


 ドイツで聞いた子どもの本のはなし(2)
                         令丈ヒロ子

 日本ペンクラブ子どもの本委員会では、この三月に日本の児童書を
紹介するべくドイツを訪問。
 アニメ、コミックと子どもの本の関係についてをメインテーマにした、
イベントを行った後、ハンブルグにある出版社、CARLSEN(カール
セン)社を訪問してきました。 KLAUS HUMANN社長と編集者の
みなさんが待っていて、実にたくさんのことを教えてくださいました。
 カールセン社は1953年に創立。もともと、四コマコミックの新聞連載の
仕事がメインでした。それが戦後、コミックを一冊の本の形にして安い
値段で提供したのが大ヒット、1976年「TANTAN」のフランスでの
大成功が転機となり、80年代から児童書を手掛けるようになり、コミック
と児童書出版の会社として大きくなりました。
 日本のMANGA(ドイツでは、日本のマンガは非常に人気があり、
内容も評価が高いです。他のコミックとは別の扱い。リスペクトをこめて
「MANGA」と呼ばれ、他国のコミックとは区別されています。)、児童書、
もともとカールセン社のメインであった大衆むけコミックが、現在カール
セン社の三本の柱となっているとのことでした。
 ここで「オールエイジ」と言う言葉を説明してもらいました。
 ドイツについてから出版関係者、書籍関係者の口から、何度となく
「オールエイジ」という言葉を聞いていました。これは「ハリー・ポッター」
シリーズが、ドイツで大人気となり、児童書でありながら、大人も大勢
読んだということがきっかけ。12歳以上のすべての年齢層の読者に
支持される作品という意味で「オールエイジ」と呼ばれているのだと、
説明をうけました。
 このような広い年齢層に支持される大ヒット作が「パーシー・ジャクソン」
シリーズ、「トワイライト」シリーズと続いたので、「オールエイジ」という区分が
できたようです。
 ドイツの児童書には、YAという言葉も区分もないですが、「青少年向け」
という本の分け方はあるようでした。日本のYAについて森絵都さんや
那須田淳さんが説明されると、(子ども向けのレーベルで刊行されても、
大人の女性も支持することや、大人向けの文庫レーベルでまた年齢層の
高い読者に作品が広まったりすることが多いということで)どちらかというと
ドイツで言う「オールエイジ」に近い感覚ではないかと思う、と
おっしゃっていました。
 ハードカバーの文庫化とか、児童文庫のようなものはありますかと
たずねたところ、 ないこともないが、日本のように文庫レーベルは隆盛
ではないとのこと。
 それにはいろんな理由がありました。
 だいたい高校生向けの本は、ソフトカバーで比較的安い値段のものが多く、
これは高校生本人が本を選ぶので安い値段にした方が、買いやすいから。
 しかし、12歳以下の「児童書」は、本人が選ぶことより、大人が選ぶことが
多い。また、ドイツでは本を贈り物とすることが多く、そのため、児童書は
装丁が豪華で立派なハードカバーがメインとのこと。
 ドイツでは学校図書館がほぼなくて、しかも町の図書館も日本よりかなり
少ない。このことも12歳以下の子どもが自分で本を選ぶ機会が少ない
要因となっているようです。
(この時、ドイツ児童書作家さんからは、ドイツの子どもの本は、男の子向け、
女の子向けがとてもはっきりしているとおっしゃっていたのを思いだしました。
装丁は、女子はとにかくピンクや赤の本。男子は黒とか茶色、青。テーマも
タイトルもいかにも女の子向け男の向けというものが多く、そういうのはあまり
好ましくないし、もっと幅広く楽しめる作品作りをしたいと、その方はおっしゃっ
ていました。装丁を見ただけで、これは女の子むき……となどとハッキリわかる
ような本作りが多いのは、大人から子どもへのプレゼントとして本を選ぶ助けと
なっているのかもしれないですね)
 カールセン社ではこのあと、翻訳についての話になりました。日本の児童書や
一般小説でも、英語に翻訳された出版されたものは、出版、翻訳関係者に
読まれる確率が高く、そこからドイツ語に翻訳される可能性がぐんとあがる。
 ドイツでは翻訳物の作品はたくさん出ているそうですし、このエッセイ(1)で
紹介した児童書の賞でも、ノミネート作品には翻訳ものがたくさん入るぐらい、
翻訳作品に好意的です。 しかしMANGA以外は、日本語の壁はあつく、
日本語の児童書がダイレクトにドイツ語に翻訳出版されることは、まだまだ
少ないそうです。翻訳家という仕事が、経済的に確立していないことも
その理由の一つとのこと。
 長い時間、惜しみなくいろんなお話と忌憚のない意見やアドバイスをいただき、
玄関フロアにいるスパイダーマンやTANTANと別れを惜しみ、カールセン社
を後にしました。
 
 YAについては、ミュンヘン国際児童図書館の方々にも聞いてみました。
みなさんの意見をまとめると。
「青少年向け作品では、ファンタジー、リアルで若者の直面する問題を扱った
リアリスティック小説、歴史・政治・特に戦争のことをテーマにしたヘビーな
ノンフィクションなど、作品内容の幅は広くバラエティに富んでいる。ファンタ
ジーの中でも、社会的なテーマを扱ったものが増えている。これらの作品は
大人が読んでも読みごたえがあると評価されているものが多く、こういう大人が
読んでもおもしろい青少年向け小説は、オール・エイジとは言わないので、
日本のYAと言われるものは、こういう作品群のことではないか。」
 とのことでした。
 現在日本のYAと言われているものは、作家、翻訳家、評論家、出版関係者、
書店関係者でも「これ」という統一見解がありませんし、それぞれによって
イメージがちがいます。
 しかしこれらのお話を聞いたら、ミュンヘン国際児童図書館の方の言われる、
「あくまで青少年向けに書かれた」作品が、大人が読んでもおもしろいという
作品であった……という感覚が、わたしのイメージするYAに近いなと思いました。
 しかし、作者が子どもにも大人にも訴えるものがある作品を意図して書いて、
じっさいとても広い年齢層読者に支持された場合、それもYAじゃないか?と
言われたら、なんとも答えられません。
 逆に大人向けの作品が高校生に非常に悦ばれ支持されるのはYAじゃない
のか?
 また本は文庫化だの、挿絵や装丁のリニューアルなどで大きくイメージが
変わることがあり、同じ作品がのちに大人に大人気になったり、逆に低い年齢層に
支持されるようになっていったりという「時代の変化によってYA化した」ものも
あるかもしれないです。
 別にYAとはなにか?答えを出すために行ったわけではないのですが、ドイツで
YAや児童書のありかたについて、いろいろ考えさせられました。

 日本(関西空港)に無事帰って、一番にうどんを食べに行きました。かつおだしの
味が、体の隅々にいきわたり、ふわーっと気持ちも筋肉もほぐれました。
 昆布はドイツに持参していたので、昆布だしには飢えていなかったんですが……。
 かつおだしをのんだとたんに、頭が痺れたように眠くなり、死んだように寝て
しまいました。
 今後、アジアでない場所に行くときは、かつおだしも持って行こうと思います。

 おわり

 

( ^^) _旦~~ φ(..)  エッセイ募集中。

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「日本YA作家クラブ」会報 2012年2月5日発行
代表世話人。金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん