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「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】 201684日発行

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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 

みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

「日本YA作家クラブ」8年目、下半期の

16回の会報をお届けいたします。

今回は東日本大震災関連事業の作文の審査員をされた

香谷美季さんにエッセイをおよせいただきました。

 

この会報は、総会の役割を兼ねております。必ず必須事項をご記入の上、

このメールにご返信して下さいますようお願いいたします。

リストの更新がある方は8月末までにお願いいたします。

 

※↓返信していただきたいこと。

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1】会員名 

 

2】著作リストの更新 なし / あり (ご記入ください)

 

 書名は省略せずにはっきり書いてください。未刊行のものはご遠慮ください。

http://booklog.jp/users/yungadult ブクロク(Amazon)で表示されない書名は

登録できません。ご返信の前に必ず確認してください。

 

3】ご意見、ご要望、ご質問など、ございましたら。

 

 

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リスト更新がない方も受信確認のお返事をください。

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━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

◆著作リストの更新の際のお願い

◆情報ブログへの掲載について。

◆インタビュー第4弾計画中

◆報告・問い合わせ

◆会員の募集と告知について

◆その他のお知らせ

◆リレーエッセイ。第10回★香谷美季さん

 

 

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◆著作リストの更新の際のお願い

 

著作リストは、ブクロクというサービスを利用しています。

http://booklog.jp/users/yungadult 

書名は省略せずにはっきり書いてください。2月末の時点で

未刊行のものはご遠慮ください。

ブクロク(Amazon)で表示されない書名は

登録できません。ご返信の前に必ず確認してください。

書名や作者名が不明なもの、情報不備のものは、登録いたしません。

(そっちで調べて載せておいてというのはご遠慮ください)

 

 

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◆情報ブログへの掲載について。

 

「日本YA作家クラブ情報bloghttp://blog.goo.ne.jp/yungadult

 

YA情報ブログには、YAに関する講演会やサイン会、講座などの情

報を掲載します。会員のYAに関する講演会やサイン会の情報を、

連絡係にお寄せ下さい。YAにかかわるものでしたら、

「日本YA作家クラブ」の関与にかかわらず掲載致しますので、どうぞお気軽に。

 

※掲載依頼の際にお願いしたいこと。

イベント名。開催日時。会場。募集対象。募集方法。締め切り。主催。

チラシがネット上で公開されていればそのURL

……などを、メールの本文に必ずご記入ください。

メールの内容をコピペしてブログに掲載できるように、

紹介文は画像だけでなくテキストでも併記をお願いします。

(そっちで調べて載せておいてというのはご遠慮ください)

 

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◆インタビューのコーナー、第4弾計画中

 

YA世代や作家や翻訳家を目指す人に向けた

会員へのインタビューコーナー第3弾の「YAバトン3」が、

20165月で完了ましたので、

4弾のインタビューをすすめようと思います。

201610月から逆五十音順に掲載をスタートしていきます。

ご協力をお願いいたします。

 

掲載月が近づきましたら、会員さんに個別にメールをお送りいたします。

予定している質問は、

・締め切り前や仕事が忙しい時によく食べているものを教えてください。

・中高生の頃の自分を漢字一字で表して、その理由を教えてください。

・これから作家や翻訳家を目指す人には、なにが必要だと感じますか?

 

 

 

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◆報告・問い合わせ クラブへの問い合わせ(2016年3月〜2016年7月)

 

今期は問い合わせがありませんでした。

 

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◆会員の募集と告知について

 

会員の皆さまにも、「日本YA作家クラブ」の告知のご協力を

お願いします。個人でホームページやブログをお持ちの会員さんは、

『日本YA作家クラブ』へのリンクをお願いいたします。

 

 

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◆その他のお知らせ

 

★前回もお知らせいたしましたが、

金原瑞人さんと三辺律子さんが中心となって、

翻訳者自身が海外YAを紹介する無料のブックレット

『BOOKMARK』を全国の書店で配布しているそうです。

PDFファイルをダウンロードもできます。

現在4号まで出ています。詳しくは金原瑞人さんの

ホームページを検索してください。

 

 

★リレーエッセイ募集。( ^^) _~~ φ(..)

 第17回会報(20172月)に掲載するエッセイを募集します。

テーマはYAに関することなら何でも。400字〜長文も可。

また、これまでの会報のリレーエッセイを受けた内容のエッセイも

募集いたします。

お寄せいただいた作品は臨時便や定期の会報に掲載いたします。

会報はホームページ上でも公開されます。

世話人から御執筆のお願いをすることがあります。

※原稿料はお支払いできません。無償でのご協力をお願いいたします。

 

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┃リ┣┫レ┣┫ー┣┫エ┣┫ッ┣┫セ┣┫イ┃

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第10回★ 香谷美季さん

 

『いま、再びの東北 〜10年後の希望〜』 香谷美季

 

 

今回、僭越ながら、こちらのリレーエッセイに文章を寄せる

ことになりました香谷美季です。

まず、最初にお断りしておく必要があるのは、児童文学を書

く際の私のペンネームは、上にあげた「香谷美季(かがや 

みき)」ですが、仕事の殆どは「篠原美季」というペンネー

ムで行っている、ということです。

なぜ、このような前置きをするかといいますと、一つには、

せっかくの機会なので、作家としての私の名前を少しでも皆

様に売り込んでおきたいというのと、もう一つ、こちらのほ

うが肝心ですが、これからご紹介することは、児童文学作家

として請け負った仕事であるにもかかわらず、それに関連し

て某サイトに掲載された名前は、「篠原美季」だからです。

そのため、あとでサイトをご覧になられた方が混乱なさらな

いよう、念の為、触れさせていただきました。

ということで、ここからが本題です。

始まりは、昨年の今ごろ、こちらの事務局から会員の皆様に

向けて、一つのアナウンスがあったことですが、ご記憶の方

は、正直、少ないと思います。

それは、復興庁が主催する某企画のお手伝いというものでし

た。

その時点では、さほど詳しいことはわかっていませんでした

が、要は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた三県、宮城、

岩手、福島の子どもたちを対象に、十年後の未来を想像した

物語を書いてもらうという作文コンテストの審査員という仕

事でした。

その名も、「わたしたちのふるさと、10年先の物語 〜東

北を元気にする作文募集〜」です。この企画では、俳優で短

編映画監督でもある別所哲也氏を審査員長に迎え、最優秀作

品に選ばれた作文は、同氏の手で短編映画化することになっ

ていました。

応募総数については、特に知らされていませんが、私を含む

五人の審査員の手には、事前に事務局が選んだ三十本近い作

品が送られてきて、それぞれ、事務局が設定した判定基準を

もとに点数をつけ、その合計点を参考に、後日、内閣府で行

われる審査会で討論し、最終的に最優秀作品を選出するとい

う方式でした。

私自身は‥‥というと、東日本大震災については、いつもボ

ランティアなどできずにいるのを申し訳なく思っていたこと

もあり、文章という己の土俵でなにか役に立てるのであれば、

という想いで手をあげさせていだたきましたが、蓋を開けて

みれば、審査員、しかも「児童文学の有識者」などというも

ったいぶった肩書で審査に臨むということで、当初は、恐れ

多くてどうしようという気持ちで一杯でした。

けれど、作品が手元に届き、それに目を通した瞬間、そんな

ちっぽけな気持ちはふっ飛んでしまいました。

それくらい、そこにはたくさんの想いが綴られていたのです。

当時、いくつか仕事が重なっていたこともあり、応募原稿は

外で読もうと、作品を手に近くの喫茶店に行って読み始めた

私は、バカでした。なぜなら、そこに書かれていたものは、

人前だというのに溢れそうになる涙で字が読めなくなるほど

だったからです。

たった二枚。

それだけの原稿用紙につたない鉛筆書きの字で書かれた物語

は、大人が書くどんなものよりも、心を打ちました。

一向に進まない復興の中で、子どもたちが、どんな想いを抱

えて生きているのか。

苛立ちや悲しみ、悔しさ、歯がゆさ。

それでも失わない、未来への希望。

被災地以外の場所で生きる人々にとって、あの災害が、どん

どん風化し日常の中に埋没していく中で、いまだ、苦しんで

いる人たちがいて、その状況をどうにかしたいと思って過ご

している子どもたちがたくさんいるのです。

私たちは、まだまだ、東北のことを忘れてはいけない──。

東京オリンピックもいいと思います。このご時世、日本人の

気持ちをワクワクさせることは、必要です。でも、私たちが

ワクワクしている裏で、生活の立て直しができずに苦しんで

いる日本人は大勢います。

その事実を、数枚の原稿用紙に綴られた子どもたちの言葉に

よって、目の前に叩きつけられたのが、この仕事でした。

最優秀作品賞に選ばれた男の子もそうですが、作品を通じて、

自分が大工になっているという未来図を描く子どもが多かっ

たようです。それは裏を返せば、それだけ、住宅問題が深刻

であるということでしょう。

心落ち着けて住める家がない。

それなら、どうするか。

大人が建ててくれないなら、自分たちが家を建ててやる──。

そんな憤りが、あのような作文を生み出したのではないかと

思います。

なぜ、東北地方の復興は、これほどまでに遅れているのでし

ょう。いっそのこと、東北でオリンピックをやれば、復興に

もつながったのではないかと思うのは、私だけではないはず

です。もちろん、ただの素人考えですが、それくらい、どう

にかならないものかと思ってしまうのです。

ただ、それでも、宮城と岩手は、大地震の傷から少しずつ立

ち直りつつあるのがわかりました。少なくとも、十年後に明

るい未来を託すだけの余裕があったのです。

けれど、福島だけは違います。

福島の復興には、十年というスパンは、無いに等しいものな

のです。

なぜ、福島だけ違うのかは、当然、みなさんもお分かりにな

るでしょう。

原発の被害は、地震の被害とは比べものならないほど深刻で

す。

ここで、原発の有無について、政治的な発言をする気はあり

ませんが、一つだけ、私の心に深く突き刺さった言葉を、紹

介したいと思います。

内閣府で行われた審査会には、宮城、岩手、福島三県で復興

事業にかかわっている団体の代表者が一名ずつ加わっておら

れましたが、第三者的立場である私などとは違い、それぞれ

の県を背負って立つ三人の舌鋒は鋭く、ただただ、その意見

交換に聞き入るばかりでした。

その中で、某県の代表者が福島県の代表者に向かって、こう

言い切りました。

 

「正直、福島の十年後に、まだ明るい未来はない!」

 

おそらく、それが真実でしょう。

悲しいことですが、あれほど緑豊かで、日本の原風景がある

とたたえられた福島は、十年、二十年、三十年、下手をすれ

ば、百年以上、置き去りにされ、放射能汚染の影響がなくな

るのを、ただ、待つしかないのです。

原発事故は、文字通り、そこを「人のいない土地(ノーマンズ

ランド)」に変えるのだというのを、実感として考えさせられ

ました。

振り返って思えば、あの震災の最中、日本中が固唾を飲んで

見守っていた時に、もし、さらなる爆発を防ぐことができな

ければ──。

四季のある美しい日本国全土が、突如、「人のいない土地(

ーマンズランド)」になる日も、案外近いのかもしれません。

 

最後になりましたが、とても有意義な経験をする機会を与え

てくださったこちらの事務局に感謝いたします。

もし、このエッセイを読んで、直に子どもたちの想いに触れ

たいと思われた方は、復興庁のホームページに、現在もサイ

トがあるので、そちらをご覧になってください。最優秀作品

の短編映画も視聴できるはずです。

サイトは「わたしたちのふるさと、10年先の物語」で検索

すれば、すぐに出てきます。

http://www.gov-online.go.jp/cam/fukko_susumotion/movie/

 

長くなりましたが、以上で、私のエッセイを終わりにしたい

と思います。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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「日本YA作家クラブ」会報 201684日発行

代表世話人。金原瑞人、梨屋アリエ(敬称略五十音順)

 

日本YA作家クラブ

http://jya.iinaa.net/

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連絡係 ありりん