日本YA作家クラブ会報 会員向けarchives 年二回発行
2009年から2010年の会報 
「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】第四回 2010年8月10日発行  
  リレーエッセイ。第四回★那須田淳さん『プラハの旅 ブックフェアとYAと百塔の街』
「日本YA作家クラブ」会報【臨時便 エッセイ編 2010年3月17日発行  
  リレーエッセイ。第三回★野沢佳織さん『海外の「孤児文学」のゆくえ』
「日本YA作家クラブ」会報【臨時便】 エッセイ編 2010年2月20日発行  
  リレーエッセイ。第二回★金原瑞人さん 『アメリカが孤児なら、イギリスも孤児。そして今の日本は?』
「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】第三回 2010年2月12日発行   
  リレーエッセイ。第一回★石崎洋司さん 『YAの「偏り」について』
「日本YA作家クラブ」会報【臨時便2009年11月4日発行 
「日本YA作家クラブ」会報【臨時便】2009年10月9日発行 
「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】第二回 2009年8月8日発行
「日本YA作家クラブ」会報【臨時便】2009年4月8日発行 
「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】第一回 2009年2月25日発行 
「日本YA作家クラブ」会報【特別便・御挨拶編】 2009年2月25日発行 
      
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「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】 2010年8月10日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 猛暑日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
「日本YA作家クラブ」第四回の会報をお届けいたします。
この会報は、総会の役割を兼ねております。必ず必須事項をご記入の上、
ご返信して下さいますようお願いいたします。


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★お願い★
最後までお読みになりましたら、下の必要事項を記入して、
このメールに返信してください。
著作リストは、確定している情報をお願いいたします。
ご返信はなるべく十日以内でお願い致します。

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【1】会員名 

【2】著作リストの更新 なし / あり (ご記入ください)

【3】おすすめYAアンケートのリストの更新 (任意)

【4】新会員の推薦 紹介 (任意)。

【5】ご意見、ご要望、ご質問など、ございましたら。


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━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆報告・1、イベント 2、問い合わせ
◆著作リストの更新について
◆おすすめYAアンケートの更新について
◆インタビューのコーナー、更新してます
◆会員の募集と告知、情報ブログについて
◆今後の企画について
◆リレーエッセイ。第四回★那須田淳さん

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◆報告・1「日本YA作家クラブ」のイベントについて。(2月以降)

8月3日に学校図書館問題研究会 第26回全国大会in東京
の分科会⑨「YA作家と語ろう」に
日本YA作家クラブ世話人(石崎、金原、梨屋)が出演し、
会場からの質問を受ける形で鼎談をいたしました。


◆報告・2 クラブへの問い合わせ

小学校の学校司書さんから図書だよりの特集号に、
日本YA作家クラブのHPの会員のおすすめYAを
掲載したいと、転載許可の連絡があり、了解致しました。
(ホームページの情報は、出典を明らかにする条件で、
学校や図書館などでの使用を認めます。)

国立国会図書館国際子ども図書館企画協力課から、
国際子ども図書館ホームページの「子どもと本を
つなぐ人のページ」の公開と、リンクのご連絡をいただき、
当サイトからもリンクいたしました。

神奈川県内の市立図書館から、「子ども読書活動推進講座」
について講師(会員)の取り次ぎ件のお礼のメールを
いただきました。

東京都の「非実在青少年規制条例」に関連して、
会員の木村航さんからのお知らせを転送、転載いたしました。

おすすめ本コーナーに掲載した『人間喜劇』について
一般の方からの問い合わせがあり、会員の那須田さんの
ご回答をお取次しました。

ホームページへのテキスト広告掲載の問い合わせがありましたが、
回答を見合わせました。


千葉県内の私立高校から講演の費用に関する
問い合わせをいただき、返信いたしました。


作品社の編集部から日本YA作家クラブへ献本を
いただき、梨屋が受け取り保管しております。
(『私は売られてきた』P・マコーミック著
 『希望のいる町』J・バウアー著)


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◆著作リストの更新について

著作リストは年2回(2月/8月)更新いたします。
更新したい項目、付け加えたい情報、訂正などを
お知らせください。新刊の冊数の制限はいたしません。
これまでのリストの掲載情報に関しては、ホームページにて
ご確認ください。

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◆おすすめYAアンケートの更新について

昨年、会員の皆様にお願いいたしました「おすすめYA」の
アンケートのページを、「YAの本棚」コーナーとして
ホームページで公開しております。差し替えや追加のご希望が
ございましたら、月末までにご連絡ください。

アンケート集計後にご入会いただきました新会員のみな様には、
後日、アンケートをお送りいたしますので、ご協力をお願いいたします。

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◆インタビューのコーナー連載中。

ホームページに、YA世代や作家や翻訳家を目指す人に向けた
会員へのインタビューコーナーを作り、4月から、
令丈ヒロ子さんから逆五十音順に、月に二人ずつ掲載を
スタートしています。
該当月の会員さんには、メールにてご連絡いたしますので、
ご協力ください。よろしくお願いいたします。
五項目。
・どんな中学~高校時代を過ごしていましたか?
・作家・翻訳家になりたいと思ったのは、いつ頃、どうしてですか?
・最初の本(作品)を出版したきっかけはなんですか?
・一週間だけ中学~高校時代の自分と入れ替われたら、何をしますか?
・現役のYAな人達へ、熱いメッセージをどうぞ。


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◆会員の募集と告知のお願いについて。

会員の皆さまにも、「日本YA作家クラブ」の告知のご協力を
お願いします。個人でホームページやブログをお持ちの会員さんは、
『日本YA作家クラブ』へのリンクをご協力お願いいたします。

お知り合いの作家や翻訳家に、ホームページに記載されている条件に
合う方がいらっしゃいましたら、当会について、お知らせください
ますようお願いします。また、作品を読んで、ぜひ仲間に! と
思われた書き手のかたにつきましても、情報をお寄せ下さい。
YA作品であれば、児童・一般、文庫・新書・単行本の
しばりはございません。

情報ブログについて
「YA情報ブログ」には、YAに関する講演会やサイン会、講座などの情
報を掲載します。会員のYAに関する講演会やサイン会の情報を、
連絡係にお寄せ下さい。YAにかかわるものでしたら、「日本YA
作家クラブ」の関与にかかわらず掲載致しますので、どうぞお気軽に
直接ブログに書き込む場合。
googleのアカウントの登録(無料)をし、「書き込み登録」をすると、
情報がいつでも書き込めます。ご希望の方には、「YA情報ブログ」の
招待メールをお送りしますので、登録したいメールアドレスを明記して、
ご連絡ください。


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◆今後の企画について

東京都立図書館に日本YA作家クラブから企画を持ち込み、
共催で、今秋イベントに開催することになりました。
『中学・高校生のための 声に出して楽しむYA読書会
    ~みんなで好きな本について語ろう』

都立図書館の2会場で、全2回連続のワークショップ形式の読書会です。
子どもの募集は15名程度で、参加費は無料。
内容(予定)
第1回目
朗読講師による朗読のレクチャー、参加者のおすすめ本の紹介とフリートーク
第2回目
おすすめ本の発表と朗読、図書館バックヤードツアー。

・東京都立多摩図書館(立川)
平成22年9月18日(土)、25日(土) 14:00~17:00

・東京都立中央図書館(広尾)
平成22年10月30日(土)、11月6日(土) 14:00~17:00 
(※中央図書館は、日程変更の可能性あり)

読書会に参加予定の会員ボランティア(50音順敬称略)
石崎洋司、金原瑞人、篠原まり、
梨屋アリエ、野沢佳織、令丈ヒロ子
※臨時便メールの呼びかけに反応いただいた方です。

ホームページにイベント告知のページをつけました。
http://jya.iinaa.net/toritsu1.htm
会員の皆様には、告知のご協力をよろしくお願いいたします。
今回は都内のイベントになりますが、参加者の募集だけではなく、
日本YA作家クラブやYA読書推進のPRにもなりますので、
広くお知らせいただければと思います。
ホームページから都立中央図書館の募集チラシをダウンロードできます。
多摩図書館の会につきましては近郊の学校へ直接を呼びかけたため、
一般募集は致しません。



「子どもゆめ基金」を利用する企画につきましては、
都立図書館の共催イベントと内容や時期が重複するため、
今回の実施は見送ることになりました。ご了承ください。


※「日本YA作家クラブ」への企画、ご提案、アイデアなどが
ございましたら、ぜひご相談ください。

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◆リレーエッセイ募集。( ^^) _旦~~ φ(..)

第五回会報(2011年2月)に掲載するエッセイを募集します。
テーマは「YAに関すること」。400字前後~長文も可。
また、今号会報のリレーエッセイを受けた内容のエッセイも
募集いたします。
お寄せいただいた作品は臨時便、第五回会報に掲載いたします。
会報はホームページ上でも公開されます。
世話人から御執筆のお願いをすることがあります。
※原稿料はお支払いできません。無償でのご協力をお願いいたします。

      
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┃リ┣┫レ┣┫ー┣┫エ┣┫ッ┣┫セ┣┫イ┃
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第四回★ 那須田淳さん

プラハの旅
 ブックフェアとYAと百塔の街 
                            那須田淳

 世の中、ヒョウタンから駒みたいなことは、そう滅多にあるわけでは
ない。でも、今回のプラハ行きはまさにそれだったかもしれない。
 きっかけは…たぶん、日本ペンクラブの子どもの本委員会の集まりで
の「もうちょっと日本の子どもの本を海外で広めたいよね」「うんうん」
というやりとりからだろう。
 ちなみにこの日本ペンの子どもの本委員会は、委員長の野上暁さんを
中心に、角野栄子さんや、末吉暁子さん、ひこ・田中さん、森絵都さん、
令丈ヒロ子さん、さくまゆみこさん、里中満智子さん、落合恵子さん
などのメンバーに、僕も加えてもらって、昨年末に結成されたばかり。
みなさん、発想も豊かだし、行動力もある上に、好奇心も豊富ときてい
るから、きっかけさえあれば面白いことができそうだと思っていたが……。
 ところで、僕がドイツのベルリンに生活の拠点を置いて今年で十五年
になる。モノ書きなので、メールさえあればどこでも暮らせるし、せっ
かくなら海外に出てみようかと思ったのは事実。でも、どうしてベルリ
ンなのかは書くと長くなるので、ちょっと脇に置いておきます。じつの
ところ、ベルリンにはただ住んでいるだけなのだが、やはり住んでいる
と、いくらぼんやりの僕でも皮膚感覚で感じることがあるのだ。
 その一つが、日本の文化、とくに小説や子どもの本がいかに正当な評
価を受けていないかということだろう。もちろんどの国にも優れた文学
はある。でも当然ながら優れた作品なら、受け入れる余地はあるはず。
とくに欧米諸国は、文化的な水準や社会状況が日本と近いのでなおさら
だろう。ところが、ちっとも読まれていないのである。書店で、目立つ
日本の作家といえば、村上春樹や吉本ばなな、小川洋子…と指を折って
も両手で充分あまりそうだ。
 その一方で、この数年、韓国や台湾、中国などでは日本の作品が多く
訳されるようになった。
 この違いは「なに?」と思わずにはいられない。
 人種的な差別(ないことはないけど)ということではなさそうである。
その証拠にマンガがある。ドイツでもMangaはすでにドイツ語の単語と
なっているぐらいにポピュラーだ。こちらの子ども番組の出演者に対
するインタビューかなにかで、司会者に「将来の夢として、どんな
職業につきたい?」ときかれて「マンガ家です」と応える女の子も多い。
 それにドイツの出版社の編集者からも「日本の児童書とかYAって、
Mangaぐらい面白いの?」と質問されることもこの頃けっこう増えた。
 日本のYAやラノベ、「青い鳥文庫」や「フォア文庫」などの文庫は、
読者層の重なるこのMangaの市場から判断しても、かなりチャンスは
あるのではと思わずにはいられない。
 作家である以上、より多くの人に自作を読んでもらいたいのは当然
だが、それ以上に、日本の作家の優れた作品をもっともっと世界に発信
していきたいと僕は願う。文化の相互理解にもなるし、さらには地球と
いうレベルで物事を考えることにもつながっていくと思うからだ。
 そこで機会があれば自分なりに普及の方法を模索したいと考えていた
ところに、降ってわいたようなプラハ行きである。
 委員長の野上さんからメールがあったのは春先のことだ。
「5月にプラハで会えるかな?」
「はあ」
「プラハのブックフェアに行ってみようかと思うんだ。そこで、日本の
作品を海外へ紹介する方法を具体的に模索してみようよ」
 出版文化国際交流会がブックフェアでブースを出すので、急遽、ペン
クラブもそこに参加させてもらうことにしたという。
 国際ペンの理事である堀さんが、チェコのペンクラブとも親しいこと
から実現した話である。
 プラハはもちろんチェコ語だが、東西ヨーロッパのへそみたいな
ところだから他言語への広がりも見込まれる。
 それになにより、やはり古都プラハなら行ってみたいじゃないか。
 というノリも大事である。
 きゅうなのでペンから参加する作家は、野上さんと末吉暁子さんと
僕の三人。これに金沢千秋さんと画家の寺崎百合子さんが加わるとの
こと。ベルリンからだと電車で四時間半である。距離にすれば東京から
名古屋ぐらいなので、エルベ河沿いの景色を眺めながら、ワインをゆっ
くり飲んでいればついてしまう。
 参加者は、みなベルリンに集まってから一緒にプラハ入りするという
ことになって、これは思いがけずに面白いことになったなと思っていた
ら、ブックフェアの主催者と交渉してくれた国際ペンの堀理事から、
せっかくプラハにいくんだから、イベントを用意したとの連絡が…。
 フェア会場で、トークショーみたいな形で、作家は自作について話せ
という。しかも、通訳が用意できるかどうかわからないから英語で、と
連絡があった。
 英語でプレゼン…。
「まじですか?」
と、語学には全く自信のない僕は、このときは青ざめた。だいたいもの
ごとをつきつめて考えないたちなので、日本での講演会でもいつも
しどろもどろ。日本語でさえおぼつかないのが、英語である。
 それでも引き受けた以上はなんとかしなければと思い、さびた頭を
フル回転させながらとりあえず原稿を作っていたら、翻訳家のうちの
奥さんが「ちょっとみせてごらん」という。うちの奥さんはドイツ語の
翻訳家だが、英語も一応できる。
 で、出来の悪い子どもが、しぶしぶ答案をみせるという感じで添削を
してもらったのだが、「うわっ」とか「こ、これは…」とかのつぶやき
のあと「小学生の作文よりひどいねえ」と案の定ダメだしされた。
 そして直してもらったのだが、それを声に出して読んでみてという。
「読むの?」
「だって、人前で話すわけでしょ」
 そのとおり。僕はすっかりそのことを失念していたので、もう一度
あせりまくったわけだが、当然のように超カタカナ発音である。奥さん
にためいきをつかれたが、こういうのは一晩でなおるものでもあるまい。
読み辛くて舌をかみそうになるところは原稿にルビを振って、「いいよ、
いいよ、どうせおれなんて」と前夜はふて寝。それから翌朝にプラハ
行きの電車に乗ったのである。
 でも、電車の中でワインを飲み、百塔の街プラハにすべりこんだとき
には、すっかり立ち直っていた。
 まあ、なるようにしかなるまい。
 それに近世からのボヘミアの町並みと、ビール(チェコのビールは
おそらく世界一うまいと僕は思う)があればいうことはないのだ。
 プラハには何度となく足を運んでいるが、東西冷戦が終結したばかり
のころは酸性雨の影響で黒ずんでいた街もくるたびに美しくなり、
かつての古都の面影を多くの部分で取り戻しているようだった。ここ
では観光をするのもよいが、カフェやビアホールで、あるいは高台の丘
から人々や町並みを見ているほうが僕は好きだ。それだけで、胸に迫っ
てくるものがある。
 そしてこのプラハに居をかまえる画家の出久根育さんとも合流して、
さらに楽しくなったところで二日後が本番のプレゼンだった。
 物事はいいほうに展開しはじめると、そっちへ傾くようで、会場に
ついたときには、主催者側が日本語からチェコ語への通訳を手配して
くれたと教えてもらう。用意していた英語の原稿は必要ないとのことで、
いっぺんに気が楽になった。
 ただ通訳が入るということは持ち時間が半分になるということでも
ある。一応、プレゼンでは、野上さんが日本の子どもの本についての
全般を、末吉さんが童話について、僕がYAについても自作の紹介ととも
に合わせて話し、さらに出久根さんも紹介しようという段取りだったが、
時間がたちまちなくなってしまった。
 少ない時間のなかで、僕も話したかった日本のYAの現状などにあまり
触れられなかったのが残念だった。
 もっとも英語で原稿を用意したことで、あとでチェコの出版社の人
たちと話をしたときにさらに情報交換ができた。そしてこちらのほうが
プラハ来訪の目的でもあったのだ。その結果だけを簡単に書くと、YAを
青春文学として捉えた場合は、従来からの文学の王道としての位置に
なるが、今は、子どもの本と一般文学の集合の重なる部分としてのジャ
ンルという考えにより新しさ、魅力を感じるとのこと。話した編集の
女性も作家で、ご自身がYAを書いているというし、チェコでも、その
あたりを意識した書き手がでてきているそうだ。
 このことはドイツでもYAジャンルの作品が一般文学として注目されて
きていることと一致している。
 しかし肝心の日本の作品を海外にということでいえば、チェコは
元東欧で、出版の規模自体が小さく、翻訳出版の壁はけっこう厚いよう
だった。だが、じかに話をしてみて、日本のYAや子ども向けの文庫が
とくに興味深いといわれたことはうれしかった
 さすがに翻訳書の刊行という商業レベルでは、ヒョウタンから駒の
ようには行かない。
 でも、情報をより分析していけば、日本と市場の状況が近い欧州では、
今後により希望が持てるのではないだろか。
 さて、ではつぎはどうしようか?
 ミュンヘン経由で日本に戻る野上さんたち一行と別れて、一足先に
ベルリンに戻った僕は、電車の中で、暮れなずむ車窓に目を向けながら、
「日本ペンを通じてならば、個々の作家の一冊ずつではなく日本のYAや
ラノべ、児童文庫全体を紹介すべきだ。それでも書き手の一人である
僕は、僕として、しっかり自分の作品を書くことだよな。それから
始まるんじゃないかな」
とあらためて思ったのだった。
 
 

( ^^) _旦~~ φ(..) エッセイ募集中。

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「日本YA作家クラブ」会報 2010年8月10日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
連絡係 ありりん


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「日本YA作家クラブ」会報【臨時便・エッセイ編】2010年3月17日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様

 会報の「リレーエッセイ」の第一回の石崎洋司さんと
臨時便の金原瑞人さんのリレーをうけて、
野沢佳織さんからエッセイをいただきましたので、臨時便で
配信させていただきます。
このエッセイは、会のホームページでも公開いたします。


━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆エッセイ
『海外の「孤児文学」のゆくえ』 野沢佳織


◆エッセイ募集しています。


◆インタビューのコーナーを作ります。

 
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◆エッセイ

海外の「孤児文学」のゆくえ
                  野沢佳織

 子どもの頃、孤児が主人公の物語が好きで、よく読んだ。とくに、偕成
社少女名作シリーズの『孤児マリー』『あらしの白ばと』『愛のバイオリ
ン』はわたしの中で「孤児もの御三家」といってよく、何度も繰り返し読
んだ。たしか『あらしの白ばと』に主人公をいじめる意地悪な牧場主が出
てきて、憎くてたまらず、挿絵のそいつの顔を鉛筆でぐりぐり黒く塗って
いるうちに紙が破れてしまったこともある(気性の激しい子だったのだ。
「カンが強いのを直す」ために、祖母によくユキノシタを塩で揉んだ汁を
飲まされた)。また、たぶん同じ作品だったと思うが、牧場で羊の毛を
刈った直後に羊が病気にかかってばたばた死んでしまうというシーンがあ
り、後年、イギリスに暮らした際、車窓からみえる牧草地に毛を刈られた
ばかりらしい羊をみつけると、病気になりはしないかと心配した。つい最
近、シンシア・ハーネットの『The Wool Pack』(中世イギリスを舞台に
した少年の成長物語。カーネギー賞を受賞しているにもかかわらず本邦未
訳)を読んだときにも、主人公の父親が毛皮商兼牧場主だったので、もし
や羊に災難が……と気をもんだが、そんなことは起こらなかった。
 ともあれ、子ども時代は「孤児文学」にこと欠かなかった。『赤毛のア
ン』はもちろんのこと、『足ながおじさん』『小公女』『小公子』『秘密
の花園』……たしか『アルプスの少女ハイジ』や『ピノッキオの冒険』も。
いや、ピノッキオは孤児ではなく、もともと人形なのだった。ピノッキオ
で思い出したが、孤児がつらい境遇に負けず頑張って生きていく物語を好
む一方で、『宝島』『ロビンソン・クルーソー』『十五少年漂流記』など、
少年が旅や冒険をする物語も大好きだった。「孤児もの」と「少年冒険も
の」を交互に読んでいた――と、以前ある編集者に話したおかげか、その
種の作品を訳す機会に恵まれてきた。ちなみに、児童・YA向きの拙訳書
11作品のうち、4作品が孤児を主人公としており、さらに親と生き別れた
など、ある種の「疑似孤児」が主人公のものを含めると6作品になる。打
率、約五割。かなりの「孤児率」だ。
 なぜ孤児を主人公にするかについては、作家側にも様々な理由があるの
だろうが、読者側からみると、子どもが本を読んだり物語の世界に夢中に
なるときには、なんとなく孤独を感じている(「孤独」という言葉さえ知
らないにしても)ことがあって、そこから脱け出す道を意識的・無意識的
にさぐっているため、孤独な主人公に感情移入しやすい、ということがあ
るのではないかと思う。そうした子どもの心理を作家が察知しているとす
れば(あるいは、作家自身が子ども時代の記憶として持っているとすれ
ば)、石崎氏のおっしゃる「求心的孤児」を主人公にした物語が多くなる
のもうなずける。しかし、「遠心的孤児」が魅力的なのも事実だ。ここで
ちょっぴり宣伝をさせていただくと、今夏刊行予定の青春ミステリ小説
(金原瑞人氏と筆者との共訳)には、バリバリ遠心的孤児の父親に育てら
れた、かなり遠心的な疑似孤児のヒロインが登場する。
 さて、その金原氏は「現代の日本では、孤児を主人公にした小説は書き
にくいだろう。書こうとすれば、相当の意志と覚悟と表現力が必要になる
のでは?」と書いていらした。たしかにそのとおりだと思うが、では、翻
訳小説の世界ではどうだろう? わたしは、今後も孤児を主人公とした作
品が書かれ、翻訳され、読まれる可能性として、ふたつのラインが考えら
れると思う。ひとつは、歴史的背景の物語。金原氏も指摘されているとお
り、近代、いや第二次大戦ぐらいまでは、子どもが孤児になるのは世界中
でごくあたりまえのことだったから、中世や近代を背景にした物語に孤児
が登場するのは自然なことだ。そして、海外のYA作品には、歴史的背景
のものが案外多い。またもや宣伝になってしまうが、昨年刊行された拙訳
書『ロジーナのあした』(カレン・クシュマン作)は、西部開拓時代のア
メリカで、ポーランド系移民の少女が事故や病気で両親を失い、ほかの大
勢の孤児たちとともにアメリカの西半分を横断する「孤児列車」に乗せら
れて、養ってくれる家庭をさがしにいくという内容だった。もうひとつ、
可能性を感じるラインは、いまなお戦火が続いていたり、戦争の傷跡が深
く残っていたり、エイズの治療が十分に行われていなかったり、貧富の差
が激しかったりして、実際に孤児が大勢いる、アフリカ・アジア・中南米
の諸国から発信される作品だ。もう一冊だけ拙訳書を例に出させていただ
くと、『空を取り戻した日』(ミシェル・ブリューレ作)はブラジルのリ
オデジャネイロで路上生活を送る少年が幸せをみつける話だった(ただし、
作者はカナダのジャーナリスト)。
 歴史的背景の作品と、アフリカ・アジア・中南米発信の作品――実際に
このふたつのラインで「孤児文学」が書かれているかどうか、少し調べて
みた。まず、ここ二年ほどのあいだに翻訳出版されたYA向けの本で、ア
フリカの孤児を主人公にした印象的な作品をふたつみつけた。ひとつは、
『路上のヒーローたち』(エリザベス・レアード作、石谷尚子訳)。エチ
オピアの首都アディスアベバのストリートチルドレンの物語だ。父親はだ
れかわからず、母親をエイズで亡くし、姉ともはぐれ、悪い男の手で農場
に売り飛ばされて逃げ出した少年と、裕福な家で何不自由なく暮らしてい
たがどうしても父親と一緒に暮らせない事情があって家出した少年が、と
もに路上生活を送る。ふたりの視点から交互に語られる物語は、後者の視
点があるためにややソフトな印象になっているが、その分、日本の読者に
は入っていきやすいかもしれない。もうひとつの作品は、『戦場から生き
のびて――ぼくは少年兵士だった』(イシメール・ベア作、忠平美幸訳)。
こちらはノンフィクションなので、「孤児文学」と呼べるかどうかわから
ないが、日本のYA層にぜひ読んでもらいたい作品だ。作者自身である主
人公の少年は、シエラレオネの小さな町で家族と暮らしていたが、1993年、
12歳のときに内戦が激化して、仲間の少年数人とともに反乱軍から逃げ続
ける。はぐれた家族とようやく再開できそうになった矢先、家族のいる村
が反乱軍に襲われ、そこにいた人々はほぼ皆殺しにされて、少年は孤児に
なってしまう。やがて少年は政府軍の兵士となり、麻薬の力を借りて数え
きれないほどの反乱軍兵士や一般人を殺し続ける。2年後にユニセフに保
護され、首都フリータウンのリハビリ施設に収容されるが、麻薬の禁断症
状や戦場の記憶のフラッシュバックと戦いながらふつうの市民生活にもど
るのは容易ではない。読みながら、全身が震えた。当時、シエラレオネで
そういうことが起こっていることさえ知らずにいた自分を、恥じずにはい
られなかった。
 シエラレオネといえば、昨年原書で読んだMariatu Kamara/Susan 
McClelland作の”The Bite of the Mango”も強烈なノンフィクションだっ
た。こちらはシエラレオネの少女の物語。彼女もやはり、住んでいた村が
反乱軍に襲われ、両親とはぐれ、命は助かったものの両手を切断されて、
必死でフリータウンまで逃げる。彼女はまた、セックスの意味さえ知らな
いうちに妊娠させられていたが、相手の男も反乱軍に殺されてしまう。難
民キャンプに身を置いて、不十分な食糧を物乞いで補い、男児を出産する
が、赤ん坊はまもなく病死する。やがて、イギリスの慈善家から援助の手
がさしのべられ、ロンドンにいって義手を作ってもらうが、義手にもロン
ドンの街にもなじめず、苛立ちをつのらせる。結局、彼女はカナダに居場
所をみつけて落ち着き、前述のイシメール・ベアとも出会って、互いの経
験を語りあう。
 翻訳された作品だけでは数が限られているので、アメリカの児童・YA
書専門の隔月書評雑誌 “The Horn Book Magazine”の2008年/2009年発
行分、全12冊に目を通して、孤児を主人公とした作品をさがしてみた。そ
の結果、2008年には書評で取り上げられているフィクション224作品のう
ち、明らかに孤児を主人公とするものが9作品、おそらく孤児または疑似
孤児が主人公と思われるものが4作品あることがわかった。2009年には、
紹介されている全150作品のうち、明らかに孤児を主人公とするものが14作
品、それに準ずるものが8作品あった。2009年は孤児文学の当たり年だっ
たのかもしれない。さらに、両年合わせて、明らかに孤児を主人公とする
23作品のなかで、歴史的背景のものが7作品、アフリカを舞台にしたもの
が2作品あった。
 アフリカを舞台にした2作品のひとつはジャン・マイケルの”City Boy”
で、マラウイ人の少年がエイズで両親を亡くし、田舎のおばのもとにひき
とられるという話。もうひとつは最近翻訳書が出た『ライオンとであった
少女』(バーリ・ドハーティ作、斎藤倫子訳)で、やはりエイズで両親を
亡くしたタンザニア人の少女がおじに利用される形でイギリスに連れてい
かれるが、そこにもうひとりの少女の人生がからんで……という内容だ。
一方、歴史的背景の作品をいくつか紹介すると、中世ヨーロッパのある国
で孤児になった少女が宝石を取りもどすため冒険にのりだす物語(Julie 
Berry, “The Amaranth Enchantment”)、ヴィヴァルディのもとで音楽を
学ぶ三人の孤児の少女の物語(Pat Lowery Collins, “Hidden Voices”)、
フランス革命の時代に孤児の少女が盗賊の協力を得て、捕えられた王党派
の一家を救おうとする物語(Julia Golding, “Den of Thieves: A Cat 
Royal Adventure”)、20世紀初頭のアラスカで天然痘を生き抜いた姉妹が
カヌーで川を下る物語(John Smelcer, “The Great Death”)などがある。
さらに、このささやかなリサーチ中に、孤児物語の重要なラインをもうひ
とつ、忘れていたことに気づいた。ファンタジーである。そう、ここ十年
ほどのあいだ、YA書の世界で最も有名な孤児といえば、あのハリー・ポッ
ターくんだった。2008年からは、ブランドン・サンダースンの”Alcatraz 
versus the Evil Librarians”というシリーズが刊行されている。このシ
リーズの主人公は、メガネをかけた13歳の孤児の少年らしい(!)。
 というわけで、最近の英米の孤児文学に焦点をあててみたが、ひさしぶ
りに ”The Horn Book” を読んだら、孤児文学以外にもおもしろそうな
作品をたくさんみつけてしまい、思わず買いこんでしまった。どれか一冊
でも、ほんとうにおもしろくて、まだ版権がフリーで、どこかの出版社が
興味を示してくれる作品がありますように……と祈りつつ、今日も読書に
励もう!




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◆エッセイ募集しています。

 第一回のリレーエッセイは、石崎洋司さん→金原瑞人さん→野沢佳織さんと
続きました。リレーをつなぐエッセイを募集いたします。文字数は自由です。
 また、このリレーとは別に、第四回会報へのエッセイも募集しております。

 ※原稿料はお支払いできません。無償でのご協力をお願いいたします。
 会報はホームページ上でも公開されます。


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◆インタビューのコーナーを作ります。

 先日の会報でお伝えしましたが、ホームページに、YA世代や作家や
翻訳家を目指す人に向けた会員へのインタビューコーナーを作ります。
 4月から、令丈ヒロ子さんから逆五十音順に、月に二人ずつ掲載して
いきます。
 該当月の会員さんには、メールにてご連絡いたしますので、
ご協力ください。よろしくお願いいたします。

 予定している五項目。
 ・どんな中学~高校時代を過ごしていましたか?
 ・作家・翻訳家になりたいと思ったのは、いつ頃、どうしてですか?
 ・最初の本(作品)を出版したきっかけはなんですか?
 ・一週間だけ中学~高校時代の自分と入れ替われたら、何をしますか?
 ・現役のYAな人達へ、熱いメッセージをどうぞ。



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「日本YA作家クラブ」会報 2010年3月17発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん


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「日本YA作家クラブ」会報【臨時便・エッセイ編】2010年2月20日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様

 会報の「リレーエッセイ」の第一回、
石崎洋司さんの『YAの「偏り」について』をうけて、
金原瑞人さんからエッセイをいただきました。
次の定期便まで間がありますので、臨時便で配信させていただきます。
このエッセイは、会のホームページでも公開いたします。


━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆エッセイ
『アメリカが孤児なら、イギリスも孤児。そして今の日本は?』金原瑞人

◆第三回会報へのご返信状況 


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◆エッセイ

『アメリカが孤児なら、イギリスも孤児。そして今の日本は?』
                         金原瑞人


 孤児の文学という話が出てきたので、それを受けてちょっと書い
てみようと思う。
 というのも、アメリカが伝統的に孤児にひかれる文学なら、イギ
リスもまた伝統的に孤児にひかれる文学だからだ。
 たとえば、イギリスでは18世紀になって初めて近代リアリズム小
説(novel)が誕生するんだけど、そのときよく引き合いに出される
のが『ロビンソン・クルーソー』(デフォー)『パメラ』(リチャー
ドソン)と『トム・ジョーンズ』(フィールディング)。このトム・
ジョーンズが孤児、というか捨て子で、大活躍する。
 そして19世紀になるとそれこそ孤児の小説が続々と登場する。ディ
ケンズの『オリヴァー・ツィスト』の主人公オリヴァー、『大いなる
遺産』の主人公ピップ、シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』
の主人公ジェイン・エア、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』の主人公
ヒースクリフ、さらに20世紀になってはサマセット・モームの『人間
の絆』の主人公フィリップ・ケアリ。
 またイギリスで最初の児童文学といわれているキングズリーの
『水の子(ども)』(1863年)の主人公トムも孤児だし、〈シャー
ロック・ホームズ〉のシリーズで大活躍する少年団「ベイカーストリー
ト・イレギュラーズ(ベイカー街遊撃団)」もストリートチルドレン
で、孤児が多い。またいかにもイギリス的な児童文学を書くので有名
だったレオン・ガーフィールド(1921~1996年)の作品にも孤児が
よく登場する。
 ガーフィールドが日本にきたとき、「なぜ、孤児の出てくる作品が
多いのか」とたずねたら、「ひとつの理由は動かしやすいからだ」と
いう答えが返ってきた。
 なんでイギリス文学に、それも後々まで読みつがれている作品に
孤児が多いのかについては、いろんな人がいろんなことをいっていて、
よくわからない。ただ、アメリカに限らず、イギリスも孤児が主人公、
あるいは重要な登場人物の作品はとても多い。
 まあ考えてみれば、人類の歴史が始まってから中世、そして近代が
始まるまでは、孤児なんてごろごろいたわけで、ごく普通の風景だっ
た……というか、そもそも子どもなんて生まれては次々に死んでいた
わけで、それは第二次世界大戦あたりまであまり変わらなかったよう
な気がする。たとえば、「ちくま」2010年2月号で、なだいなだが
「人間、とりあえず主義 少子化対策ってなんだ」にこう書いている。

 ぼくの祖父母の時代は、現在の中学生くらいの年齢で、親の命令で
結婚した。学問するとよい嫁にならないからと、小学校にすら行かせ
てもらえなかった。よい嫁とはなんだったろう。亭主関白な夫のもと、
子どもを十人も生む嫁だった。どうせ半分は子どものうちに死ぬとい
う状況だったし……

 子どもも死ねば親も死ぬ、子を亡くす親も多ければ、孤児も多かっ
た。当然、小説にも登場する。
 ところで、いまひとつ気になっているのは、子どもの死亡率が激減
して、平均寿命がいきなり高くなってしまった現代の日本、孤児を
主人公にした小説が書けるかということ。もちろん書けない……こと
はないけど、とても書きづらいと思う。とくに子どもの本は書きづら
いかもしれない。
 去年『YAセレクション みじかい眠りにつく前に ②昼下がりに読み
たい10の話 』(ピュアフル文庫)を編んだとき、ぜひ入れたいと思っ
たのが川島誠の短編「愛生園」。現代において孤児を登場させるには、
これほどまでの意志と覚悟と表現力が必要なのかと、読み終えたとき
愕然としたのをよく覚えている。
 かつて、イギリスでもアメリカでも、孤児は悲惨で、社会からはじ
き出されていたぶん自由だった。しかし、現代の日本において、孤児
はやはり(少なくなったぶん余計に)悲惨かもしれないし、不自由だ
と思う。そのうえ、今の社会は孤児を隠そうとする。そんな孤児を
扱ったヤングアダルト小説は今後出てくるのだろうか、もし出てくる
としたら、どんな形でなのだろうか。
 さあ、日本の作家、書けるなら書いてみろよ、といってみたい……
と思ったんだけど、考えてみたら、桜庭一樹の『私の男』も、三浦
しをんの『光』も主人公は孤児だった。児童文学でもYAでもない
けど。
 



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◆第三回会報へのご返信状況

現在の会員33名中、18名様からご返信をいただいております。
ありがとうございました。

また、励ましのお言葉なども、ありがとうございました。

会報がお手元に届いているかの確認にもなりますので、今回、
リスト等の更新がない会員様も、ご返信いただきますよう、
よろしくお願いいたします。


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「日本YA作家クラブ」会報 2010年2月20発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん


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「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】 2010年2月13日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 立春を過ぎ、かわいい梅の花が目に嬉しい今日この頃です。
「日本YA作家クラブ」第三回の会報をお届けいたします。
この会報は、総会の役割を兼ねております。必ず必須事項をご記入の上、
ご返信して下さいますようお願いいたします。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★お願い★
最後までお読みになりましたら、下の必要事項を記入して、
このメールに返信してください。
著作リストは、確定している情報をお願いいたします。
ご返信はなるべく十日以内でお願い致します。

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【1】会員名 

【2】著作リストの更新 なし / あり (ご記入ください)

【3】おすすめYAアンケートのリストの更新 (任意)

【4】新会員の推薦 紹介 (任意)。

【5】第四回会報へのエッセイのご寄稿 可 / 今回はパス

【6】ご意見、ご要望、ご質問など。


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━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆報告・1、イベント 2、問い合わせ
◆著作リストの更新について
◆おすすめYAアンケートの更新について
◆インタビューのコーナーを作ります
◆会員の募集と告知、情報ブログについて
◆今後の企画について
◆リレーエッセイ。第一回★石崎洋司さん

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◆報告・1「日本YA作家クラブ」のイベントについて。(8月以降)

2009年12月13日(日)/19日(土)ジュンク堂書店新宿店にて、
日本YA作家クラブ主催「ロバート・ウェストール対談」全二回が
開催されました。
トークセッション『訳者の語るロバート・ウェストール』
第一回の講師は、原田勝氏と金原瑞人氏。
第二回の講師は、野沢佳織氏と金原瑞人氏でした。
作家・作品論から、翻訳という仕事について、もりだくさんの
内容でした。
レポートを、ホームページに掲載しましたので、ご覧ください。


◆報告・2 クラブへの問い合わせ

 財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)内「子ども読書の情報館」
事務局から、子どもの読書推進のための情報交換を目的としたサイト
「子ども読書の情報館」との相互リンクのお願いをいただき、
リンクしました。

 学校図書館問題研究会(学図研)から会員への講演の依頼をいただき、
該当の会員にお取り次ぎをしました。

 個人の方から、『ゴングール賞』について教えてほしいとのメール。
『ゴングール賞』ではなくて『ゴンクール賞』ですよということで、
一件落着しました。

 神奈川県内の市立図書館から会員への講演の依頼をいただき、
該当の会員にお取り次ぎをしました。

 作品社の編集部から日本YA作家クラブへ献本のお申し出を
いただき、梨屋が受け取り保管しております。
(ロレッタ・エルスワース著、代田亜香子訳『とむらう女』)

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◆著作リストの更新について

著作リストは年2回(2月/8月)更新いたします。
更新したい項目、付け加えたい情報、訂正などを
お知らせください。新刊の冊数の制限はいたしません。
これまでのリストの掲載情報に関しては、ホームページにて
ご確認ください。

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◆おすすめYAアンケートの更新について

昨年、会員の皆様にお願いいたしました「おすすめYA」の
アンケートのページを、「YAの本棚」コーナーとしてホームページで
公開しております。差し替えや追加のご希望がございましたら、
2月末までにご連絡ください。

アンケート集計後にご入会いただきました新会員のみな様には、
後日、アンケートをお送りいたしますので、ご協力をお願いいたします。

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◆インタビューのコーナーを作ります。

ホームページに、YA世代や作家や翻訳家を目指す人に向けた
会員へのインタビューコーナーを作ります。

予定している五項目。
・どんな中学~高校時代を過ごしていましたか?
・作家・翻訳家になりたいと思ったのは、いつ頃、どうしてですか?
・最初の本(作品)を出版したきっかけはなんですか?
・一週間だけ中学~高校時代の自分と入れ替われたら、何をしますか?
・現役のYAな人達へ、熱いメッセージをどうぞ。

4月から、令丈ヒロ子さんから逆五十音順に、月に二人ずつ掲載していきます。

該当月の会員さんには、メールにてご連絡いたしますので、
ご協力ください。よろしくお願いいたします。


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◆会員の募集と告知のお願いについて。

会員の皆さまにも、「日本YA作家クラブ」の告知のご協力を
お願いします。個人でホームページやブログをお持ちの会員さんは、
『日本YA作家クラブ』へのリンクをご協力お願いいたします。

お知り合いの作家や翻訳家に、ホームページに記載されている条件に
合う方がいらっしゃいましたら、当会について、お知らせください
ますようお願いします。また、作品を読んで、ぜひ仲間に! と
思われた書き手のかたにつきましても、情報をお寄せ下さい。
YA作品であれば、児童・一般、文庫・新書・単行本の
しばりはございません。

情報ブログについて
「YA情報ブログ」には、YAに関する講演会やサイン会、講座などの情
報を掲載します。会員のYAに関する講演会やサイン会の情報を、
連絡係にお寄せ下さい。YAにかかわるものでしたら、「日本YA
作家クラブ」の関与にかかわらず掲載致しますので、どうぞお気軽に
直接ブログに書き込む場合。
googleのアカウントの登録(無料)をし、「書き込み登録」をすると、
情報がいつでも書き込めます。ご希望の方には、「YA情報ブログ」の
招待メールをお送りしますので、登録したいメールアドレスを明記して、
ご連絡ください。


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◆今後の企画について

※金原瑞人氏の発案で、YAの翻訳家の海外YAトーク第二弾を
予定しています。詳細が決まりましたら、会報の臨時便や
YAブログ等でご案内いたします。


※梨屋発案のイベント、朗読読書会計画、その後。
「子どもゆめ基金」の助成金を利用する予定でしたが11月の
「事業仕分け」により「子どもゆめ基金」の廃止のニュースが
流れました。これにともない、計画の大幅な変更をすることに
なりました。資金のない日本YA作家クラブは単独開催ができま
せんので、日本YA作家クラブの企画・協力という形で、東京と
大阪のご協力いただける機関で、それぞれ独立したイベントを
行うことにいたします。
 東京の部では、都立図書館(東京都立多摩図書館)と連携した、
中高生向けの朗読読書会ワークショックの計画を進めております。
 大阪の部では、吹田市立図書館で、イベントを検討して
いただいています。

 ところで。事業仕分けで廃止となったはずの「子どもゆめ基金」
ですが、12月になって、「平成22年度予算で、ゆめ基金助成事業を
含め、政府予算案として閣議決定された」とのこと。つまり22年度分は
続行するそうです。東京の分は申請書を送付しており、四月の審査の
結果を待つことになりました。


※「日本YA作家クラブ」への企画、ご提案、アイデアなどが
ございましたら、ぜひご相談ください。

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◆リレーエッセイ募集。

 第四回会報(8月)に掲載するエッセイを募集します。
 テーマは「YAに関すること」。400字前後~長文も可。
 7月末までにお寄せいただいたものを第四回会報に掲載いたします。
 会報はホームページ上でも公開されます。
 ※原稿料はお支払いできません。無償でのご協力をお願いいたします。

   ( ^^) _旦~~ φ(..)   
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┃リ┣┫レ┣┫ー┣┫エ┣┫ッ┣┫セ┣┫イ┃
┗★┛┗☆┛┗★┛┗☆┛┗★┛┗☆┛┗★┛ 

第一回★石崎洋司さん

YAの「偏り」について       石崎洋司  

 ついこのあいだ、某作家さんと喫茶店で話していたら、いきなり
「アメリカのYAってつまらないですよね」といわれ、驚愕の余り、
ちょうど口に入れたサンドイッチを喉に詰まらせ、死にかけた。
 こ、これが、「シンクロニシティ」ってやつ? ユングの例だと、
「プディングのシンクロニシティ」だけれど、ぼくがたべていたの
は「パストラミ・サンドイッチ」だから、「パストラミのシンクロ
ニシティ」と命名しよう! 
 とまあ、これは寒い冗談だけれど、でも、そのくらい取り乱した
のはほんと。なぜって、これぞユング的「シンクロニシティ」かっ
ていうぐらい、ぼくもほぼ同じようなことを考えていたから。ぼく
の場合はもうすこしネガティブ度が高くて、「最近の日本のYA、
つまんねー。アメリカのYAと同じくらい、つまんねー。なんでだ
ろ?」って感じだけれど。 
 で、その前日あたりに、我田引水の理屈を考えついたところだっ
たので、ケーキを食べていた某作家さんにむかって、口角泡を飛ば
してまくしたてた。そして、せっかくだから、日本YA作家クラブ
会報メールでの、記念すべき(?)第一回めのエッセイに、その話
を書こうという企画です! 
 ただし、そのときの話は、例によってむだに長かったので、少し
補足しつつ、まとめると……。

 翻訳家としても高名な柴田元幸さんが、なにかの本で、アメリカ
文学というのは、伝統的に孤児に惹かれる文学みたいなところがあ
る、と、書いていた。例としてあがっていたのが、フィッツジェラ
ルドの『グレート・ギャツビー』、メルヴィルの『白鯨』、マーク
・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』など。 
 おお、いわれてみれば、たしかにその通りだなぁ。ぼくの個人的
の好きなところでいえば、アーヴィングの『サイダーハウス・ルー
ル』とか、オースターの『ミスター・ヴァーディゴ』も、あてはま
りそうだぞ。あ、これは、そのまんま孤児の話じゃん……。 
 ともかく、柴田さんによれば、アメリカ文学のこの傾向は、国の
成り立ちと関係があるのだろう、みたいなことが書かれていて、こ
れまた、なるほどねぇと、感心しきり。 
 でも、柴田さんの御説で、特に興味を抱いたのは、アメリカ文学
の孤児(あるいは孤児的なる者)には、二つの傾向があるっていう
くだりだ。その二つというのは……。 
・社会へ取り込まれることをめざす、求心的な孤児。 
・社会に取り込まれまい、離れようとする、遠心的な孤児。 
 たとえば、愛する女性を取り戻すために富と名声を築くギャツ
ビーは前者の典型。 
 で、ハックは後者。『ハックルベリー・フィンの冒険』では、
「文明化」という英語がsivilizeとミススペルだそうで、それは、
語り手であるハックが文明をきらっている証拠……。 
 ほう、ほう、ほう! おもしろい! 
 と、ひとりで納得しているうち、ふと気づいた。 
 日本のYA、特に、リアリズム系のやつも、孤児文学っぽくね? 
 ほら、ティーンズの主人公って、なぜかたいてい親と折り合いが
悪かったり、悪くなったりするし、あるいは「うちの親は理解がな
い」と思ったりもするでしょう(ほんとに理解がない場合もあれば、
主人公が勝手にそう思いこんでる場合もある)。かと思えば、反対
に、親のノー天気ぶりに辟易としてみたり(「ラテン嫁」ならぬ
「ラテン親」というのは、日本のYAではときどき出てきますね)。 
 これ、現実の反映なのだろうか? それとも、創作上、必然的に
生まれてしまう「パターン」? 
 どっちでもいいけれど、いずれにせよ、これって「疑似孤児」状
態じゃないのかなぁ。 
 さらに考えてみると、日本のリアリズムYAでは、主人公を取り
巻く、学校の教師、生徒たち、恋愛対象としてのボーイフレンドや
ガールフレンド、街の人々とかのキャラが、妙に親切だったり、あ
るいは激しくつっけんどんだったり、なかにはとっても危険な人ま
でいる。で、そんな人々に主人公は翻弄されつつっていう展開が多
いでしょ?  
 これも、「孤児がひとり世間の荒波をわたっていくのは大変です」
的展開ともいえるんじゃないかなぁ。 
 もしそうだとすると、柴田さんのおっしゃる二つの傾向のうち、
どっちなんだろう? 
 そう考えたら、ぼくには、いまの日本のリアリズム系YAも、ア
メリカのリアリズム系YAも、「求心的孤児」文学ばっかりのよう
に思えてならなくなった。 
 もちろん、作品を全部読んでるわけではない。だから、あくまで
個人的な感覚。 
 それでも、いつも「どこかで社会と折り合っていく」、あるいは
「社会と折り合っていく道すじを見つける場所を見つけた」的結末
のお話が、最近多いような気がする。 
 2009年度プリンツ賞受賞作の"The Disreputable History of 
Frankie Landau-Banks" (E.Lockhart)を読んだときもそうだった。
お金持ちの全寮制名門私立高校のお話で、設定も一人称語りも、そ
れなりに面白い。ところが、読みながらも、同時に「これ、どっか
で読んだかも」という想いにずっと捕らわれていた。で、ほぼ読み
終わるころに、こう思った。 
「これ、設定を日本にしたら、日本人が書いたっていっても通るよ
ね」って。 
「なんかつまんないよね」っていう漠然とした感覚。その正体は、
「設定とかストーリーはいろいろでも、結局『求心的孤児』文学っ
ぽいという点で『代わり映えしないよね』っていうことなんじゃな
いか。そんな気がしてならなくなったというわけだ。 
 これ、言い方としてかなりきついかもしれない。けれど、自分も
そういうものを書いてきたし、自家中毒のように、自分の書いたも
のがわが身を侵すというのも、物書きにはよくある話。物書きの集
まりの当クラブ内では、わかってもらえると思うのだが。 
 それに、どっちがえらいというわけではないし。 
 けれど、どちらか一方だけだと、面白くないのも、たしかだ。 
『蝿の王』がやっぱり面白いのはなぜか。
映画『カッコーの巣の上で』のラストシーンは、なんであんなに
も感動的なのか。
「遠心的孤児」っていうのは、やっぱり魅力的だと思う。
   。 o     ゜      .  。    ゚        
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「日本YA作家クラブ」会報 2010年2月13日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
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連絡係 ありりん


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「日本YA作家クラブ」会報【臨時便・イベント告知編】2009年11月4日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 11月になり、すっかり秋めいてきましたね。
 イベントの件で、【臨時便】をお送りします。


━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆トークセッション「訳者の語るロバート・ウェストール」

◆朗読読書会計画、その後。 


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◆トークセッション「訳者の語るロバート・ウェストール」

 日本YA作家クラブ、金原さんの翻訳家の部の企画について
詳細が決まりましたのでお知らせいたします。
 ジュンク堂書店新宿店のイベントとなりますので、会員の皆様も
一般のお客様と同様に入場料および事前申し込みが必要です。
あらかじめ、ご了解ください。


日本YA作家クラブ主催
「訳者の語るロバート・ウェストール」全二回


【第一回】 
2009年12月13日(日)18:00開場 18:30開演
講師 原田 勝さん×金原 瑞人さん

【第二回】 
2009年12月19日(土)18:00開場 18:30開演
講師 野沢 佳織さん×金原 瑞人さん


■入場料 1000円(ドリンク付)
■会場 ジュンク堂書店新宿店 8階カフェにて 
■定員 40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)  
■受付 お電話又はご来店にて先着順に受付。
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html


訳者というのはあくまでも裏方であって、黒子であって、
表舞台に立つことはないし、カーテンコールに呼ばれることも
ない。いたって地味な存在だ。しかし、訳者はいろいろ
考えるのだ。そしていろいろ想像するのだ。背景について、
登場人物について、物語について、作者について。そんな
翻訳者の想像や妄想や、苦労話や愚痴に耳を傾けるのも
いいんじゃないか、そんなことをYA作家クラブの人たちと
話していたら、「じゃあ、そういう場を作ればいいんじゃないか」
ということになって、「翻訳家対談」という企画が生まれた。
 まず第1回目と第2回目では、ウェストールを取りあげる
ことにした。金原が翻訳を始めて最初の頃に出した本が
『かかし』だし、ついこないだ『水深五尋』も出たし、
宮崎駿さんのご助力を得て『ブラッカムの爆撃機』も復刊できたし、
なにより、野沢佳織さん、原田勝さんという、じつにいい仕事を
していらっしゃるおふたりが協力してくださるとのこと。
 さて、対談の内容は当日のお楽しみですが、野沢さんからは
ウェストールの生まれ故郷の話などをきこうと思っていますし、
またウェストールの未訳の短編をひとつ紹介してもらう予定です。
原田さんからは、『弟の戦争』(日本で劇の形になって、何度も
上演されている)にからめて戦争を扱った作品の話などを
きこうと思っています。
 あとはウェストールの文体の話とか、ちょっとマニアックな
ことも話し合ってみるつもりです。
 ウェストールに興味のある方、ヤングアダルト小説に興味の
ある方、翻訳に興味のある方、対談をする3人に興味のある方、
そのどれにも興味はないけど暇な方などなど、大歓迎です。
どうぞ遊びにきてください。 
      (日本YA作家クラブ代表世話人・金原瑞人) 


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-


◆朗読読書会計画、その後。 

 中学生・高校生を対象にした朗読読書会を
東京と大阪の二会場で開きたい、と先月の臨時便で
皆さまにお伝えしました。
ボランティアの呼びかけに対して、
東京では、野沢佳織さん、篠原まりさん。
大阪では、風野潮さん、宮下恵茉さん、香坂直さんから、
お返事をいただきました。ありがとうございました。
「子どもゆめ基金」の手続きでは、
関東と関西、別団体として申請する予定です。
関東では梨屋が中心に、関西では令丈さんを中心に、
計画を進めてゆきます。
関西では、吹田市立図書館にご協力いただけることになりました。
進展がございましたら、またご報告いたします。



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「日本YA作家クラブ」会報 2009年11月4日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
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連絡係 ありりん

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「日本YA作家クラブ」会報【イベント計画編】 2009年10月9日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 10月になり、ようやく秋めいてきましたね。
先日の第二回会報では、たくさんのご意見と励ましのお言葉を
ありがとうございました!

 イベント企画の件で、【臨時便】をお送りします。


━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆「日本YA作家クラブ」主催イベント計画について。 

◆ご協力のお願い 
 
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆「日本YA作家クラブ」主催イベント計画について。
 

このたび、「日本YA作家クラブ」では、
中学生・高校生を対象にした朗読読書会を
東京と大阪の二会場で、開きたいと考えております。
幼児や小学生向けのイベントはたくさんございますが、
中学生や高校生を対象にした読書推進活動を見かけることは、
あまりありません。
イベントでは、当会員の任意のボランティアによって、
YA世代に、いつもと違う読書の楽しみ方を
アピールしていければと考えております。

イベントの費用は、来年度の「こどもゆめ基金」を
助成金を利用する予定です。


イベントの目的。
★本を孤独に読むことだけではなく、同世代の人たちと
 好きな本を紹介しあい、読書の楽しさを共有すること。
★大人の朗読を受け身で聴くのではなく、自己表現の手段として
 子どもが声に出して読むこと体験し、読書の新たな楽しみ方、
 可能性のひろがりを感じてもらうこと。

●計画案●

中学・高校生のための朗読ワークショップ
「声に出して楽しむYA読書会」2010

全二回コース。

会場日時 土曜13:30~17:00(予定) 二週連続。

東京・2010年7月3日と7月10日(または7月10日と7月17日)の予定。
大阪・2010年10月16日と10月23日(または10月23日と10月30日)の予定。

参加資格 中学生~高校生。
参加費無料。各会場、定員15名。申し込み多数の場合は抽選。

参加者は、同世代のみんなに紹介したい本
(小説、ノンフィクション、詩集など)を一冊、持参すること。

第一週目。第一部。外部講師(アナウンサーなど)による基礎的な朗読のレクチャー。
     第二部。参加者のおすすめ本の紹介。共通テキストによる朗読の練習

第二週目。第一部。前回のおさらいと共通テキストの朗読リレー。
     第二部。参加者によるおすすめ本の朗読(1人五分程度)。


まだ企画の段階ですが、後援・協賛という形で
各所に協力をお願いしていく予定です。
「子どもゆめ基金」の助成金の交付の内定の通知は、
来年4月となりますので、交付内定の決定以降に、
具体的な計画を進めさせていただきます。


以上、会員の皆さまにお知らせするとともに、
ご協力とご理解をお願いいたします。

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◆ご協力のお願い 


上の項目にも書きましたが、2010年の四月になるまでは、
イベントが開催できるかどうか、まったくわかりません。
とにかく、「子どもゆめ基金」に申請するために、現在は
書類を作成しようという段階です。

皆さまにご協力、お知恵を貸していただきたいことがあります。
1、会場探し 2、ボランティアの2点です。


1、会場の件。
東京、大阪で、30名程度の人数が入れる会場を探しております。
マイクは使いませんが、朗読をしますので、声が出てもよい場所。
中学・高校生を対象とするため、交通の便がよく
「わかりやすい場所」で行いたいと考えております。
東京、大阪で、良い会場をご存知の方、候補として検討したいので、
教えていただけないでしょうか。
会場費は、予算として申請できますので、
民間の会議室やレンタルスペースを借りることも可能です。

市区町村の公立図書館や地区会館を借りる場合、
特定の区民や市民だけが募集対象となってしまい、
広い範囲で集めることができなくなってしまいます。
二つの区の施設に問い合わせたところ、構成員の中に
区民が3分の2以上必要という回答でした。

それから、「子どもゆめ基金」を利用するため、
国、地方公共団体との「共催」はできません。
先日、上野の国際子ども図書館に企画書を添えて
問い合わせたところ、国の機関なので「共催」でないと、
会場を貸すことはできないと断られてしまいました。
でも、公共団体との「共催」では、ダメなんです~!!
(子どもゆめ基金 http://yumekikin.niye.go.jp/)


2、当日、ボランティア参加をしてくださる会員さんを
募集しております。
 謝礼は出ません。当日の交通費のみ支給いたします。
 朗読の経験は問いません。
 東京都近郊にお住まいで、二回連続でお手伝い可能な方。
 大阪府近郊にお住まいで、二回連続でお手伝い可能な方。
 事前の準備などはとくにありません。当日、子どもたちの
様子を見ながら、大人の参加者として一緒におすすめ本の話や
朗読などをしていただければ結構です。
 一年先の予定なので、今は当日参加できるか未定でも、
都合が合えば出てみたいという方も、ご連絡ください。


 また、イベント開催のノウハウをお持ちのかた、
ずっと先の話になりますが、チラシ配布や各方面への告知の方法など、
ご教授いただけましたら幸いに存じます。


「日本YA作家クラブ」のメール、
japan.yung.adult.club@gmail.com (この会報のメールのアドレスです)
にご連絡ください。
または、個人的にお声をかけやすい世話人がおりましたら、どうぞそちらあてに。

 ご不明の点がございましたら、いつでもご連絡ください。
よろしくお願いいたします。


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「日本YA作家クラブ」会報 2009年10月9日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん

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「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】 2009年8月8日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 残暑お見舞い申し上げます。
「日本YA作家クラブ」第二回の会報をお届けいたします。
この会報は、総会の役割を兼ねております。必ず必須事項をご記入の上、
ご返信して下さいますようお願いいたします。


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★お願い★
最後までお読みになりましたら、下の必要事項を記入して、
このメールに返信してください。
著作リストは、確定している情報をお願いいたします。
ご返信はなるべく十日以内でお願い致します。

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【1】会員名 

【2】著作リストの更新 なし / あり (ご記入ください)

【3】新会員の推薦 紹介 (任意) 

【4】ご意見、ご要望、ご質問など。


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━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆報告・1、告知状況 2、問い合わせ 3、お勧め本
◆著作リストの更新について
◆会員の募集について。
◆情報ブログについて
◆今後の企画について

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◆報告・1「日本YA作家クラブ」の告知状況について。(2月以降)

ジュンク堂書店池袋本店 発足記念トークセッションとともに、
児童書コーナーで、発足記念フェアを開催していただきました。

「通訳翻訳ジャーナル」2009年夏号のニュースページで紹介していただきました。
(内容は、先方の判断で記事化されています。)

少年写真新聞社「図書館教育ニュース」6/8号(1180号)の付録の第二面に
「日本YA作家クラブ」の紹介文を梨屋アリエが書かせていただきました。

ベネッセコーポレーション発行の「進研ゼミ」会員の
保護者向けの情報誌『中1 親ゼミ』8月号にて、
「親子で将来について話すキッカケが生まれるスポット」として、
「日本YA作家クラブ」ホームページを紹介していただきました。

 会員の皆さまにも、告知のご協力をお願いします。
打ち合わせ、読書会、講演会などなど、お顔を合わせる関係者や
読書に興味のある方々に、「日本YA作家クラブ」のホームページを
ご覧頂きますよう、一言お伝えください。
「ホームページは『日本YA作家クラブ』で検索してください」と
言っていただければ、わかりやすいと思います。
 また、個人でホームページやブログをお持ちの会員さんは、
『日本YA作家クラブ』へのリンクをご協力お願いいたします。


◆報告・2 クラブへの問い合わせ

 ある公立図書館の司書さんから、高校・大学生が企画する講演会について、
作家の講演料の相場についてのご質問をいただきました。
「講演料はそれぞれ」で、芸能人のように金額は決まっておりませんので、
とにかく気になる作家には、予算にかかわらず、どんどん
お声をかけてみてください、とお返事致しました。


◆報告・3 おすすめYAアンケートについて

5月から6月にかけて、会員の皆様にお願いいたしました「おすすめYA」の
アンケートのページを、「YAの本棚」コーナーとしてホームページで
公開しております。
差し替えや追加のご希望がございましたら、8月末までにご連絡ください。

アンケート集計後にご入会いただきました新会員のみな様には、
後日、アンケートをお送りいたしますので、ご協力をお願いいたします。


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◆著作リストの更新について

著作リストは年2回(2月/8月)更新いたします。
更新したい項目、付け加えたい情報、訂正などを
お知らせください。


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◆会員の募集について。

お知り合いの作家や翻訳家に、ホームページに記載されている会員の
条件に合う方がいらっしゃいましたら、当会について、お知らせ
くださいますようご協力をお願いします。
また、作品を読んで、ぜひ仲間に! と思われた書き手のかたに
つきましても、情報をお寄せ下さい。
YA作品であれば、児童・一般、文庫・新書・単行本の
しばりはございません。
面識があっても直接お知らせしづらい場合は、連絡係が
対応することもありますので、ご相談ください。
ご本人に連絡済みか、未通知か、代表作なども重ねてお知らせください。
だめもとで、当たってみます!

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◆情報ブログについて

「YA情報ブログ」には、YAに関する講演会やサイン会、講座などの情
報を掲載します。
会員のYAに関する講演会やサイン会の情報を、連絡係にお寄せ下さい。
YAにかかわるものでしたら、「日本YA作家クラブ」の関与にかかわらず
掲載致しますので、どうぞお気軽に

直接ブログに書き込む場合。
googleのアカウントの登録(無料)をし、「書き込み登録」をすると、
情報がいつでも書き込めます。
ご希望の方には、「YA情報ブログ」の招待メールをお送りしますので、
登録したいメールアドレスを明記して、ご連絡ください。


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◆今後の企画について

 金原瑞人氏の発案で、YAの翻訳家の海外YAトークを、年内に予定しています。
 詳細が決まりましたら、クラブのYAブログでご案内いたします。


 梨屋アリエの発案で、若い読者を交えたYA朗読サークル?
「ひとりで黙って読む」以外の本の楽しみ方を提案できないかなと、考え中です。
大人の朗読を黙って聴け、という受動的なものではなく、カラオケ歌うような
ノリで、本を使って楽しめないものでしょうか……。
読み聞かせや朗読のグループは各地にたくさんあるのだから、YA作品だって
声に出して読んで、若い人たちの自己表現に使ってほしい。
といっても一冊は長いので、本のあらすじを紹介しつつ、お気に入りの場面を
朗読するとか、またはリレーで朗読するなど、少人数でいいので、
YAのブックトークを兼ねて、趣味の会のようにできないかしら。
読書家は内向的というイメージがありますが、声優志望の子や放送部や演劇部の
子どもたちもたくさんいるので、目立ちたい子のための企画があっても
面白いのではないかと思っています。
なんとかして、現役の読者の層を巻き込みたいのです。
でも、会場の確保やひと集めの方法など、前途多難で、実現可能かわかりません。
知恵を貸して下さる方、ご興味あるかた、梨屋まで、ご連絡ください。
(気長に考えていきます。)


「日本YA作家クラブ」への企画、ご提案、アイデアなどがございましたら、
ぜひご相談ください。



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「日本YA作家クラブ」会報 2009年8月8日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん


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「日本YA作家クラブ」会報【臨時便・イベント告知編】 2009年4月8日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

 新学期がはじまり、日差しもいっそう、きらきらと輝いているように感じます。
 桜吹雪の中、【臨時便】をお送りします。


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◆「日本YA作家クラブ発足記念イベントについて」

◆ 第一回会報へのご返信状況

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◆「日本YA作家クラブ発足記念イベントについて」

 日本YA作家クラブ発足記念イベントについてお知らせいたします。
 皆様の周辺の、YAや読書推進にご興味のありそうなかたに、
お知らせくださいますよう、お願いいたします。



「日本YA作家クラブ」発足記念トークセッション

『YA~大人と子どもをつなぐ本たち』 

石崎洋司(作家)×金原瑞人(翻訳家)×梨屋アリエ(作家)×令丈ヒロ子(作家) 

■入場料 1000円(ドリンク付)
■会場 ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて 
■日時  5月16日(土)19時~
■定員 40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)  
■受付 お電話又はご来店(1Fサービスカウンター)にて先着順に受付。
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk.html#20090516ikebukuro


YA(ワイエー。ヤングアダルト)とは、中学生や高校生、大学生、
いわゆるティーン年代の「若い人」に向けられた読み物をさします。

YA作品は、子どもの本と大人の本の間に位置しどちらの要素も含むことで、
多くの読者を惹きつけ支持されるようになってきました。
しかし、「大人か子どもか」で本を分類する慣習のために、YAの存在を
うっかり見逃している人も、まだ少なくないようです。そこで、
たとえば児童文学の書き手たちが、そのバラバラな本の集まりを「児童文学」と
表明しているように、YAを書く人たちも、そのバラバラな
本の集まりを「YA」と表明してもよいのではないか。書き手が集まって
自ら意思表示をすることで、YAというジャンル・枠組みを
もっと際立たせることができるのではないか。そんな想いから、
2009年1月、「日本YA作家クラブ」が発足しました。
代表世話人である石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子の四氏が、
「日本YA作家クラブ」、そして、ヤングアダルトの現在や今後について、
それぞれの想いを語ります。 



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◆ 第一回会報へのご返信状況

現在の会員24名中、21名様からご返信をいただきました。
ありがとうございました。

ホームページに掲載している会則(案)が、皆様に承認されましたことを
ご報告いたします。

また、励ましのお言葉なども、ありがとうございました!!


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「日本YA作家クラブ」会報 2009年4月8日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん


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「日本YA作家クラブ」会報【定期報告便】 2009年2月25日発行
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「日本YA作家クラブ」会員の皆様へ

こんにちは。このたび、「日本YA作家クラブ」が
皆様のご理解とご支援により、1月26日付で発足致しました。
世話人ともどもこのような会は初めての試みでしたので、
基盤を作り、仲間を募り、まずはスタートさせることを目標にし、
昨年秋よりメールで意見交換を重ねて、形を整えてまいりました。
「日本YA作家クラブ」は、やっと一歩を踏み出したばかりです。
動き始めるごとに準備不足や至らない点が出てくると存じますので、
今後は皆様のご意見を参考にして、調整していきたいと考えております。
なにとぞご協力をお願いいたします。
さて。会の目的は、「YAをPRする」というシンプルなものです。
ですが、シンプルさゆえに、捉えきれない部分がたくさんあるようです。
会員の皆様にも、なぜ「日本YA作家クラブ」が必要なのかを、
一緒に考えていただけたら、と思います。

第一回の会報をお届けいたします。
この会報は、総会の役割を兼ねております。必ず必須事項をご記入の上、
ご返信して下さいますようお願いいたします。

春の足音とともに、いっそうのお幸せが皆様のもとに訪れますことを
お祈りしております。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★お願い★
最後までお読みになりましたら、下の必要事項を記入して、
このメールに返信してください。
著作リストは、確定している情報をお願いいたします。
ご返信はなるべく十日以内でお願い致します。

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【1】会員名 

【2】著作リストの更新 なし / あり (ご記入ください)

【3】新会員の推薦 紹介 (任意) 

【4】会則(案)の承認  承認する / 承認しない (しない理由・ご意見)
 
【5】ご意見、ご要望、ご質問など。


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━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆「発足のお知らせ」の告知状況について。
◆著作リストの更新について
◆会員の募集について。
◆情報ブログについて
◆発足記念イベントについて
◆会則について

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◆「発足のお知らせ」の告知について。

1月26日、三十数か所へお知らせメールを発信いたしました。
その結果……こちらで把握している反応は、下の通り。

「日本図書館協会」 1/28のJLAメールマガジンに情報を掲載。

「日本児童文学者協会」の雑誌「日本児童文学」3・4月号
  「子どもと本の情報館」に情報を掲載予定。

「日本書籍出版協会」から加盟の各出版社に
   お知らせメールが届いた、と伝聞で確認。

「産経新聞」2/2付の文化面で発足を紹介。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090202/acd0902020746001-n1.htm 

「時事通信社」文化部から取材。後日、再取材予定。

「読売新聞」土曜夕刊 2/14付で発足を紹介。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20090216bk18.htm 

(メルマガや新聞記事の内容は、先方の判断で記事化されています。)


会員の皆さまにも、告知のご協力をお願いします。
打ち合わせ、読書会、講演会などなど、お顔を合わせる関係者や
読書に興味のある方々に、
「日本YA作家クラブ」のホームページをご覧頂きますよう、
一言お伝えください。
「ホームページは『日本YA作家クラブ』で検索してください」と
言っていただければ、わかりやすいと思います。


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◆著作リストの更新について

著作リストは年2回(2月/8月)更新いたします。
更新したい項目、付け加えたい情報、訂正などを
お知らせください。


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◆会員の募集について。

お知り合いの作家や翻訳家に、ホームページに記載されている会員の
条件に合う方がいらっしゃいましたら、当会について、お知らせ
くださいますようご協力をお願いします。
また、作品を読んで、ぜひ仲間に! と思われた書き手のかたに
つきましても、情報をお寄せ下さい。
YA作品であれば、児童・一般、文庫・新書・単行本の
しばりはございません。
面識があっても直接お知らせしづらい場合は、連絡係が
対応することもありますので、ご相談ください。
ご本人に連絡済みか、未通知か、代表作なども重ねてお知らせください。
だめもとで、当たってみます!

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◆情報ブログについて

「YA情報ブログ」には、YAに関する講演会やサイン会、講座などの情
報を掲載します。
会員のYAに関する講演会やサイン会の情報を、連絡係にお寄せ下さい。

直接ブログに書き込む場合。
googleのアカウントの登録(無料)をし、「書き込み登録」をすると、
情報がいつでも書き込めます。
ご希望の方には、「YA情報ブログ」の招待メールをお送りしますので、
登録したいメールアドレスを明記して、ご連絡ください。


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◆発足記念イベントについて

ジュンク堂池袋本店で「発足記念」トークセッションを計画中。
諸事情で今回の出演者は世話人のみとなります。
三月半ばごろには詳細が決まりますので、ブログにてお知らせ致します。


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◆会則について。

ホームページに掲載している会則(案)
http://jya.iinaa.net/rules.htm
を承認していただけますか?


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「日本YA作家クラブ」会報 2009年2月25日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん
      

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「日本YA作家クラブ」会報【特別便・御挨拶編】 2009年2月25日発行
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こちらは、特別便です。
「日本YA作家クラブ」発足によせて、代表世話人(五十音順)の、
皆様へのご挨拶に代えさせていただきます。
YAや会に対する思い、発足の経緯、発足後の感想、今後期待することなど、
それぞれの思いを短いメッセージにまとめました。
ご一読いただけましたら、幸いです。


━━□ INDEX □━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆石崎洋司 あえて「YA」というジャンルを作る

◆金原瑞人  発足によせて

◆梨屋アリエ  動機ときっかけと経緯

◆令丈ヒロ子 「YA」と「世話人」のこと

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◆石崎洋司 あえて「YA」というジャンルを作る

 ぼくは、児童書という「ジャンル」に、現状はかなり満足している。
 いちばんの理由は、児童書の読者は作者を問題にしないということ 
(だから、どんなに売れても新聞広告とかに顔写真を晒されないです 
む!!)。だけど、同時に、限られた年齢層に向けて書くという「縛 
り」も好き。不自由なことはいろいろあるけど、それが「自分」をひき 
だしてくれている。少なくとも自分ではそう思っている。
 だから、最近、いわゆる「一般文芸書」というのに出ていく同業者の 
気持ちが、正直わからない。「一般文芸書」では読者を選ばないから 
「セックスも暴力も、言葉も表現もなんでも書いていい」らしいのだけ 
ど、「それ、つまらなくない?」って思ってしまう。
 もっとわからないのが、「これは児童書という範疇をこえている」と 
いう「賛辞」。枠を超えていると「文学的」みたいないい方が、なんか 
笑えてしまう。
 大人読者もアプローチしやすいYAでは、こういう現象はより発 
生しやすい。だからこそ「YAは、大人も読みたければ読んでもい 
いけど、これはティーンズ読者に向けて書かれたものなんだからな」と 
いう「枠」は、しっかり作りたいし、書き手としてその一線は頑なに守 
りたい……。
 なんてことを考えていたら、You Tubeで面白いものを見つけ 
た。2007年、スコットランドはエディンバラで開かれたブック 
フェアでの、Ian Rankinのトークイベント映像。
 彼の「リーバス警部」シリーズがぼくは大好きで、スタイリッシュな 
文体のファンでもあるのだけど、実はそのシリーズが終わってしまう。 
このトークイベントは、それにひっかけてのものだったようで、興味 
津々で見ていたら、こんな質問が飛び出した。
「シリーズが終わるというこの機会に、あなたはクライムフィクション 
という枠から出ることは考えていないのですか」(※訳は適当です・笑)
 この質問には理由がある。以前、彼のある作品に対するレビュー 
に"almost transcends the genre"(この作品はジャンルを超越 
している)というのがあったのだ。一般的にはこれは最大級の賛辞にな 
んだろうし、だからこそ、宣伝文句として本の裏表紙にも載せられたり 
もするんだろう(ぼくの持っているその作品のペーパーバック版にも 
載っている)。
 で、ただのクライムフィクション・ライターじゃないと持ち上げられ 
た本人の答。
「それはわからないね。批評家やレビューアーが『ジャンルを超越して 
いる』とかいってるけど、ジャンルを超越したら、それはもうクライム 
フィクションじゃないでしょ。」
 ごもっとも。で、「それは大事なことなんですか?」と問われる 
と……。
「いま自分に言えることは、クライムフィクション(というジャンル) 
は、もっと真剣に考えられるべきってことかな。」
 ああ、やっぱりね、と思った。犯罪、犯人、警官、私立探偵が出てこ 
なくちゃいけないクライムフィクションだからこそできることがある。 
それが大事。ジャンルを超越するとか、まして、ジャンルが消えるなん 
て、つまらないよってこと。
 ランキンは、「もしルース・レンデルがクライムフィクション作家と 
いう括りの中にいなければ、去年(2006年)ある文学賞を獲って 
いただろうと聞いた」みたいなことも言っていて、文学賞のばかばかし 
さはいずこも同じなんだなと笑ったけど、でも欲しい人がいるのもいず 
こも同じ。だから、それは否定しない。
 ただ、ぼくにとっては、ジャンルの縛りに苦しむ中から何が出てくる 
かを見てる方がずっと楽しい。その楽しみがあれば充分、というのはウ 
ソで、もちろん、そのうえで、できるだけ売れて欲しい。そうすれば、 
ターゲットの読者たちから「面白かった」のお言葉がたくさんもらえる 
し、それだけの「芸」を見せた対価としてのお金もいただけるから。
 でも、本の売れ行きってことを考えても、実は「ジャンル」を狭めた 
方がいいと思うのだけど、その理由は長くなるからここには書かない。 
クラブの発足イベントのときにでも機会があれば語ろうと思うので、皆 
さん(お金を払って)来てね。
 とりあえず今回のところは、いま、YAという「ジャンル」をあ 
えて新しく作ることは、児童書作家にも、一般書作家にも、新しい「苦 
痛」と「工夫」と「興奮」をもたらすだろうという、「優等生的発言」 
で、終わらせておく。



=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆金原瑞人  発足によせて

 赤木かん子とふたりで朝日新聞の「ヤングアダルト招待席」
という書評欄で若者むけの本を紹介し始めたのが1988年。当時
は「ヤングアダルト」という言葉に対するアレルギーはとても
強くて、英語圏で「ヤングアダルト」として出版されている作
品でも、日本で出版するときには、その名称を絶対に使おうと
しなかった。だから、朝日の書評がスタートしたとき、「ヤン
グアダルト出版会」の中心的存在だった、晶文社の社長の中村
さんがとても喜んでくださった。そのとき「金原くん、書評で
紹介するとき、『作品はよいが翻訳が悪い』というふうなこと
だけは書かないでほしい。『翻訳が悪い』と書くくらいなら、
取りあげないほうがいい」といわれた。なつかしい思い出だ。
 赤木と金原のコンビで始まったこの書評は91年まで続いた。
しかし、「ヤングアダルト」という言葉は結局、根付かなかっ
た。1970年代後半、アメリカの図書館を出発点として、イギリ
ス、オーストラリアへ広がっていったヤングアダルトも、残念
ながら極東の日本までは伝わってこなかった。
 翻訳物にかぎらず、その頃は、日本の作家の作品でも中高生
を主人公にした作品はあまり歓迎されなかった。たとえば、森
絵都もエッセイでこんなことを書いている。
「今でこそヤングアダルトというジャンルが確立し、10代の若
い読者を対象にした洒落た装幀の本が多数出版されているもの
の、14年前はまだその受け皿が整っておらず(中略)中学生も
のは出しづらいから小学生を書かないか、と何人の編集者に言
われたことだろう」
 そんな状況がこの10年ほどで驚くほど変わった。どこの出版
社にいっても、「おもしろいYA物はない?」ときかれる時代
になったのだ。長生きはするものだと思う。
 こうしてやっと、日本の出版物も、大人の本、子どもの本、
という二層構造から、大人の本、若者の本、子どもの本という
三層構造になった。
 しかしふとあたりを見まわすと、大人の本の作家の集まりら
しきものがあって、子どもの本の作家の集まりらしきものもあ
るのに、なぜかヤングアダルト作家の集まりらしきものはない。
なくてもいいんじゃないかという声もあるとは思うが、あった
ほうが楽しい。そう思って、この会の一員に加えていただいた。
 最後にひとつつけ加えさせてもらうと、この会に翻訳家も入
れるようになっているのがうれしい。いままでそんな会はなか
った。これを機に、「ヤングアダルト」というジャンルの認知
度があがり、作家と翻訳家の交流が深まっていけば、なにより
だと思う。


=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

◆梨屋アリエ 動機ときっかけと経緯

 こんにちは。連絡係をさせていただいてます、ありりんこと、
梨屋アリエです。私は、中学生を主人公にしたYAを書くこと
が多いのですが、読書好きと称する大人のかたからは「この長
さが書けるなら、大人の小説を書けばいいのに」とか「中学生
向けの児童文学なんて必要ない。大人の本を読めばいいでしょ
う?」という反応をいただくことがあります。
 自分が十代だったとき、大人の小説を心から面白いとは思わ
なかったし、たまに楽しい読み物に出会っても、主人公は自分
と同じような目線で世界を見てる人物ではなく、その行動や考
え方には共感できないことがありました。当時の私が日々感じ
ている疑問や不安や心の痛みは、そのようなお話の中では、取
るに足りない若さの問題か解決済の出来事だったのです。
 作家が小説を書く動機は、人それぞれだと思います。理由な
んてなくたっていいのです。でも私の場合は、自分の子ども時
代の体験に影響を受けています。今思うと、不安定だったあの
頃の私は、あふれる苛立ちを、子どもじみているという否定で
もなく、よく考えてるわねという上からの肯定でもなく、ただ
「へえ、そう思ってたのね」と誰かに、単純に受けとめて欲し
かったのです。まっとうな大人に変身することを前提にした成
長小説や、子ども時代を賛美し懐かしんでいる青春小説では、
あの頃の私の孤独には寄り添えなかったのです。だから、私は、
今の十代にむけて「ふうん、そう」の代わりになるお話が書き
たい。それが私がYAや児童文学を書く動機です。
 以上のような思いでYAを書いておりますと、児童書扱いで
出版されたYAが、子どもの本の枠の一部として扱われている
だけでいいのか、という疑問がわいてくるのです。私の本は、
ちゃんとYAが必要な読者に届いているのだろうか、と不安は
付きまとう。この十年くらいで、YAという言葉はかなり広ま
ったと感じますが、それは愛好家や業界内部の認識かもしれな
い。売れ筋のYAは特別な場所に置かれるものの、レーベルを
超えた広義のYA売り場が書店に常設されているわけではない
のです。10代の読者の立場で本を探すとき、良好な状態と言
えるのでしょうか。そもそも、今、YAに注目している人って
どこの誰? 初対面の人に自分の本を説明しようとすると、引
き合いに出す(児童文学界的には超有名な)人気作家や書名を
まったく知らない人がたくさんいる。ごく最近では、先月、あ
る教育委員会の人から「YAは『や』って読むんですか」と真
顔で訊かれ、激しい温度差を実感したばかり。
 しかしそんな世間の不理解や無関心をうらむばかりでは、何
も好転しないのです。まだYAに出会えていない十代の読者に、
作り手として、何かできることはないのでしょうか。単行本デ
ビューした頃から、児童文学やSFや推理作家の会みたいに、
YAの会があればいいのにと思ってて、誰か作ってくれないか
なあ~と待っていたのですが、何年経ってもできる気配がない。
 こうなったら、作っちゃうしかないか、と思い始めたきっか
けは、昨年の夏の終わりに、あるところからYAについての講
演の問い合わせがきたことです。なんで私のところに? とい
う戸惑いとともに、世間の一部の人が、私のことをYA作家だ
と認めてくれているのだ、と驚きをもって、自覚したのです。
世の中の人が、実はYAについて情報を欲していて、どこに求
めたらよいのか窓口がわからずに困っているのではないか、と。
 そこで、2008年の10月、K社のYA短編賞の審査員としてご
縁のある石崎洋司さんに相談してみました。すぐにおもしろそ
うと話に乗っていただきまして、児童文庫やP社のYAのアン
ソロジーで石崎さんと懇意の令丈ヒロ子さんにもお声を掛けて
いただき、イメージがまとまっていきました。そして、翻訳家
の金原瑞人さんにも世話人をご快諾いただき、11月からは4名
でメールをやりとりし、会を立ち上げる準備をはじめました。
夢は大きく膨らみましたが、文筆活動の合間にできる内容と規
模で、会員に負担のかかりにくい会であることを目指しました。
その分、できることは限られてしまいますが、まずはYAの会
を作ることを目的に、仲良しクラブではなくYA作品が主役と
するために、現実的なところから進めてまいりました。11月末
にはホームページを試運転で公開し、世話人と親交がある方か
らお声をかけさせていただきました。そして、2009年1月
26日、みなさまのご協力により、「日本YA作家クラブ」が
正式にスタートしたということです。


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◆令丈ヒロ子 「YA」と「世話人」のこと


 「……こういう会を作りたいと思っています」と、梨屋さんの熱い思
いを初めて聞いた時、私はびっくりいたしました。
 それまで、YAについて、私が持っていた漠然としたイメージは「か
っこいいおしゃれな装丁で、文学っぽい空気の思春期の子のための小
説」でした。だから、小学生向けエンターティンメント作品を主に書い
ている自分が、思春期の人向けに作品を書くときは、「そのYA」のつ
もりはなかったのです。
 また、YAというジャンルについて深く考えたことも、強い興味も
ありませんでした。(今日の原稿と、明日の締め切りのことで精一杯。)
 だからYAというものについて真剣に考え、愛情をもち、世の中に
少しでもその情報を伝えていきたいという梨屋さんのお考えを聞いた
時、私はあまりに表面的な自分の物の見方と、自分がお仕事をいただい
ている分野に対して、考えも意(こころ)もなかったことが恥ずかしくなりまし
た。
 また、知らず知らずに自分が書いていた作品も、思春期の人「若い
大人」の読者に対して、そのときそのとき、精一杯誠実に書いたもので
あるならば「YA」という範疇として考えられるな……、と思いました。
 それで、梨屋さんのお考えを聞くその一分前には、ぜったいにあり
えなかったこと……、「日本YA作家クラブの世話人になる」というこ
とを決めたのです。
 四人の代表世話人の中で、私が一番YAの歴史や、作品について、
詳しくないし、知識も経験も浅いです。
 YAについて考えた時間も短く、今も「YAってなに?」という気
持ちでいっぱいです。
 しかし、そういう人間の視点も、この会が育っていくのに、役にた
つこともあるかもしれない。
 また、ついこの間の私のように「YAって、かっこいい装丁で、文
学っぽい感じのアレ?」という印象の方も、書き手や書き手志望、出版
社や書店、図書館、教育関係の方など、いわゆる「このギョーカイ」の
中にもたくさんいらっしゃるかもしれません。
 そういう方たちがYAってなにかと思われた時の、この会の活動が
手がかりになるかもしれない。
 そのように思いまして、「日本YA作家クラブ」の世話人とならせて
いただきました。
 この会は、まだまだ基盤が固まっていません。あまり美しい展望も見
えておりません。
 これから、どういうことができるか、どんな可能性があるかは、運
営しながら、皆様のご意見をいただきながら、考え、最善を尽くしてい
きたいと思っています。
 どうぞ、よろしくおねがいいたします。
 

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「日本YA作家クラブ」会報 2009年2月25日発行
代表世話人。石崎洋司、金原瑞人、梨屋アリエ、令丈ヒロ子(敬称略五十音順)

日本YA作家クラブ
http://jya.iinaa.net/
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連絡係 ありりん
     

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